第52話

かすみ静養所


そう静養所。

身も心も、弱ってしまった僕は、ここへ静養に来た。


ネットで検索をし、「自然に囲まれた豊かな場所」とあり、迷わず選んだ。


静養所に行きたいと、両親に言えば、反対された。

まあ、普通はするだろう。

世間体を気にすからな・・・


でも、かすみ静養所と言えば、賛成してお金を出してくれた。

なので、文句は言えないし、感謝もしているが・・・


両親は。知っていたのか・・・


まあ、考えるのはよそう。


「泰道くん、散歩の時間だよ」

「いい。疲れる」

「だめ。行くの」


午後はさくらとの、散歩の時間になった。


確かに空気は奇麗だ。

でも・・・


「さくら」

「何?」

「一日何時間、働いているの?」

言った後で後悔をしたのだが・・・


「7時間だよ」

「でも、僕といる時間は、長いような」

「残りは、私が好きでやってるから・・・」

「どうして?」

「君といると退屈しない」

あっそう・・・


物好きだ。


「泰道くん、見せてあげようか?」

「何を?」

思わず驚いたが・・・


「私のスカート姿」

「えっ?」

「見たいんでしょ?泰道くんも、お年頃だもんね」

「見たいと言えば、見せてくれるの?」

「OK]


まあ、期待しないで待つとしよう。


「いつも、パンツルックなのは、わかるよね?」

「動きやすいからだよね?」

「正解。さすがだね」


いや、誰でもわかります。


「じぁあ、後で部屋に行くね」

「了解」


でも、女の子と他愛のない会話をして散歩をする。

どんな理由でも、僕には無縁と思っていたがな・・・




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