第8話

そろそろ夕食だ。

今日のおかずは、なんだろな?


「泰道くん、出かけるよ」

「どこへ?」

「裏山」

「殺す気か?」

「ちがうよ。従業員を紹介するんだよ」

今度は、何の動物だ?


「大丈夫だよ。裏口出てすぐだから」

そういう問題じゃないが・・・


「そういえば、さくら」

「何?」

「他の。人間の従業員は、見かけないんだけど」

「ああ。いるよ。でも、なるべく顔を合わせないように、配慮しているんだ」

「どうして?」

「風俗もそうでしょ?」

未成年に、その例えは止めて下さい。


「さあ、ついたよ」

裏山には、木がたくさん生えている。

しかも、どんぐりの木?


ということは・・・


小動物が駆け寄ってきて、さくらの肩にとまる。


「リスか・・・」


「かわいいでしょ?」

確かにかわいいが・・・


「この子たちは、従業員ではあるけれど、分類上は野生なんだよ」

「野生?」

「うん。奈良公園の鹿みたいなものかな・・・」

「そう」


「泰道くん、心配しなくても、後で紹介しるから。君のこと・・・」

「どうも・・・」

「今日は、私が腕によりをかけるからね」

「楽しみだ」

さくらの肩に乗っていたリスは去っていた・・・


たくさんいるので、名前はないだろう。

天敵は、大丈夫なのか?


さっき、フクロウがいたが・・・


「で、何食べたい?」

さくらさんが、訊いてきた。

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