第34話 進撃の巨人、ベルセルク、グインサーガに共通するストーリーの気がかりな点

 僕は「進撃の巨人」「ベルセルク」「グインサーガ」の大ファンで、続刊がでるのを楽しみにしています。


 「進撃の巨人」は累計2300万部超え、「ベルセルク」は国内外で3100万部以上売れてていて、すでに漫画の殿堂入り作品となっています。


 「グインサーガ」も現在132巻まで発売されていて、売上のみならず(後半は、ほぼ毎回、売上1位になってました)、ギネスブックの記録ももっていて、ひとりの作者による世界で最も長い物語となっています。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1437100454 



 これなら、僕一人が少し奇妙な話をしても売上げにも影響は皆無だし、大丈夫だと判断して、一読者の個人的な不満を言ってみようと思います。



 この三作品に共通するストーリー上の気がかりなところは「敵が強すぎて主人公たちが全く勝てそうにない状態が長い間続いている」という点です。


 「進撃の巨人」は巨人の謎がしだいに解かれ、人類の反撃も多少は功を奏してますが、現在のところでは惨敗気味でとてもフラストレーションがたまります。


 「ベルセルク」についても、ゴッドハンドのリーダー格のグリフィスに対して、ガッツがたちの戦力は上がってはいますが、今のところ勝てる見込みありません。何より作者自身のモチベーションと雑誌掲載率が下がり続け、新作の【ギガントマキア】の新連載に至っては、もう完結する見込みさえなくなったと言われています。



 「グインサーガ」についても、作者の栗本薫の死去により、新作は彼女の小説講座の直弟子の手で書かれることになりました。それは喜ぶべきことでしたが、「パロの暗黒」(131巻)で「あの人」復活は楽しみですが、ストーリー展開に救いはなく絶望がつのるばかりです。「サイロンの挽歌」(132巻)では、さすがに主人公のグインがいるケイロニアが舞台で新キャラも登場して活躍しています。一筋の光明も見えますが「パロの暗黒」が深すぎて物語全体のトーンには絶望が広がります。



 物語のストーリー展開について、例え作者自身であっても自由にはでないし、ままならないのはわかりますが、あまりにも長い物語の低迷は読者も作者さえ疲弊させます。



 特に「グインサーガ」に強い影響を受けている「ベルセルク」の作者については、「進撃の巨人」に似た新作の【ギガントマキア】の新連載をはじめて気分転換とリフレッシュをはかったのかもしれません。


 なんですが、好きな物語の構造が似ているためか、新作のストーリー展開も似てしまい、たぶん、すぐに行き詰ることが予想されます。



 現在の日本の社会状況を考えると、高度成長の後のバブルも終わり、成熟社会、人口減少社会に突入し、サラリーマンや今の若い世代の給与水準も下がり続け、未婚率は30~40%に上がっていき、ニートや失業者、自殺者(最近若干減っては来てますが)の数も多くなってきています。


 アベノミクスで景気は上向きといわれても多くの人に実感はないと思われ、消費税増税、円安で負担は増るばかりで原発の問題も解決されない、高齢化で社会構造自体が硬直化してる状態です。



 そんな社会情勢のなかで「小説家になろう」から生まれた「ソードアート・オンライン」のような願望充足小説が支持される理由も見えてきます。


 もう現実の世界が暗黒すぎて、ナルト疾風伝の無限月読のように「夢の中に逃げ込む」しかない状態に日本社会は陥ってるのです。


 絶望などとっくに通り越している。もう夢の中の世界にしか、生きる望みがないくらいに。そんな感じがしています。



 そんな時代に、気の滅入るストーリー展開の物語を書いて描いて何が楽しいのか?


 やっぱり、とある科学の超電磁砲、とある魔術の禁書目録、はじめの一歩、キングダム、弱虫ペダル、キルラキル、ソードアート・オンライン、ナルト疾風伝のような作品を書くべきじゃないかと思う。



 「小説家になろう」のテンプレ、願望充足小説が支持される理由はそういう時代背景にあるし、小説や漫画のあり方としては「物語は生きる命の素」であり、読者に希望を与えるものでないといけないと思います。


 そういう物語の夢の力は「キャプテン翼」が多くの世界的サッカー選手を生んだように、現実を変えていく原動力になっていくと思います。



 今回は僕の個人的な愚痴になってしまいました。



 次回は岡山の知り合いの社長さんが発売したビジネス書のお話をしたいと思います。


 「アマゾンランキングを動かす男」と呼ばれる「カカトコリ」さんのお話ですが、この方、「ビブリア古書堂の事件手帖」の抜き去って、アマゾンランキング1位となってます。その秘密と仕掛けについて語ります。

http://www.bookcampaign.com/cacatokori2/











(あとがき)




 その後、「進撃の巨人」「ベルセルク」「グインサーガ」は新展開を見せてなかなか盛り上がって来てます。

 「ベルセルク」も妖精の国とかに辿りついて、これからというところでしょうか?


 「進撃の巨人」は驚きの新展開だし、「グインサーガ」は若い世代の台頭や主人公グインも大活躍しています。

 最新刊も発売されてます。

 宵野ゆめさん(故栗本薫氏に作風が近い)が病気でお休みで、当分、五代ゆう版グイン・サーガが続きそうです。

 どっちかというとスピーディ、斬新な展開になると思いますね。


翔けゆく風 (グイン・サーガ142巻) 文庫  2018/1/24 五代 ゆう (著), 天狼プロダクション (監修)



アルファポリス第1回ライト文芸大賞

https://www.alphapolis.co.jp/prize/


アルファポリスの「ライト文芸」で「僕と先生のエロ漫画研究会」がジャンルで1位!「第1回ライト文芸大賞」では8位です!/ネット小説書きの戯言 -WEB小説を書こう-

http://blog.livedoor.jp/naka773_aka/archives/8167247.html




 「ねこのフレンズ 楠乃小玉」「夏の日の時の段差 秋野木星」「僕とエリナの、最後の半年間について 鞠坂小鞠」など面白そうな作品も上がってきてます。

 全く読んでないのでイメージのみですが。


 「僕と先生のエロ漫画研究会 中七七三」もこれ意外といけるんじゃないかと思ったりしてきた。

 どっちかというと、ちょっとエロいぐらいの作風に抑えるといけそうな感じもします。

 第一話はいい感じですね。


 僕の作品「人狼戦記~少女格闘伝説外伝~」も23位、3000ポイントありがとうございます。

 この先、展開考えてはなくて成り行き任せですが、あっと驚く真相も明かせていけたらと思います。

 そのあたりが決まるとやっぱり名作になっていきます。


 「氷菓」は凄かったよ。

 伏線とかエピソードに無駄がなくて、最後に全部繋がって来るんだもんね。

 ミステリーの謎解きが決まった時はおお!っと思ってしまいますね。

 

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