レポート42:『もう今日1日なんもできねぇ……』

 学校に着き、教室へとやって来る。

 僅かな生徒の会話が響く中、教室には何故か既に氷室がいた。


 その悪戯な笑みにLINEのメッセージさえ嘘だったのかと思うも、朝練が早めに終わったのだと思うことにする。



「―――」



 言葉をかける気にもなれず、不貞腐れながら鞄を下ろし席へ着く。

 1限目の準備をするべく、机の中を漁れば、見知らぬ紙を見つけ、小首を傾げる。


 折り畳まれたメモから、一瞬『告白か!? ラブレターか!?』と少々動揺するも、差出人が『榊燎平』と、堂々と明記してあり、本日のやる気パラメータが一気にゼロへと変動する。


 メモには『昼休憩に体育館に来てほしい』という一文だけが綴られており、内容には大体検討がついていた。


 もしかしなくとも体育館の裏ではないため、果たし状でも、ましてや告白でもないだろうと変な想像をしてしまう。


 一応、不測の事態も含め対策は考えておくものの、絶対に違うなと結論付ける。


 ふと氷室を一瞥してみれば、ただひたすらに意味深な笑みを零していた。


 未だ氷室の掌の上で転がされているようで気乗りがせず、自然と嘆息した朝だった。


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