ライヴハウスにて

 会場ハコへ行く道を尋ねし人に

 何があるの? と聞かれ 話す嬉しさ



 DJの回すレコード懐かしい

 時空が歪むタイムマシーン



 客席の後ろの会話

 脳内で頷き頷き 開演を待つ



 最前のバーにタオルと肘を掛け

 スピーカー前 けぶる静けさ



 至近距離 今さら鼓動落ち着かず

 薄暗がりにアンプ眺めて



 実演は奇跡の遭遇一度きり

 スマホ電源長押しで切る



 現実の悩みは解決しなくても

 心澄みゆく宵のブルーズ



 また会おう 手を挙げギター置く君が

 零す微笑み闇を照らして



 君去りし舞台に残る機材見て

 名残惜しさに余熱切り撮る



 生業なりわいの楽器を始終弾く君の

 指の柔らかさを知る握手

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