化け物
華也(カヤ)
第1話
『化け物』
著・華也(カヤ)
今現在、未成年の犯罪、殺人は実質的に許されている。特例もあるが、死刑になる事はなく、のうのうと生きているのが現状だ。
イジメで自殺に追い込んだ人間は、それはもはや殺人であるのにも関わらず、加害者を守る学校と世間と法。
被害者は、被害者になるのがいけないのであって、何も保障されない。死んだら何もなくなり、生き残っても心の傷は一生消えることはない。
凄惨な未成年女子への暴行、強姦、殺人。行った事を箇条書きで読んだだけで吐き気と嫌悪と憎悪が一斉に襲ってくる。おおよそ、普通では考えられない行為を行うその精神構造はどうなっているのか?彼らは人ではない。人を殺す事が趣味の化け物だ。
───────
"普通の精神構造では考えられない"
これが、未成年の殺人を守る方便になる。まだ彼らは未成年ゆえに精神が未熟であり、これから罪を認め更生の余地ありと。
私は思う。未成年だろうが、小学生だろうが、幼稚園児だろうが、人を殺してはいけないとは道徳として学ぶ以前に、人間の構造プログラムに組み込まれていると思う。
それに、中学生や高校生が事件を起こしたなら尚更だ。家庭の事情?周りの影響?私には理解ができない。お前達は化け物に育てられ、人を殺すと教育されてきたのか?と。
被害者は、心身に消えない癒えない傷を抱え生きていくか、自殺するか、殺されるか。何一つ救いのない。何をしたわけではなく、道を歩いていたら、たまたま化け物に見つかっただけ。
そんな理不尽な事はない。人並みの未来があったのに、化け物の憂さ晴らしに、それを摘み取られ蹂躙されて犯される。
今の時代、未成年の犯罪はSNSで拡散されるようになり、ワイドショーでは伏せられても、ネットにあっという間に個人情報が載る。
住所、氏名、年齢、学校名、所属部活、自宅電話番号、携帯番号、SNSアカウントID、etc…。
そもそも、その動画を撮っている人間も同罪であり化け物であり、共犯者であり、SNSにアップするという事は、どこかしら頭のネジが飛んでいるのだろう。そりゃそうだ。化け物なのだから。化け物に人間の常識は通用はしない。
一時的にネットに晒され、嫌がらせの対象、ネット住人のオモチャになるが、オモチャは飽きるもの。なぜか?新しいオモチャが出てくるからだ。そのあとは?のうのうと生きているという現実。なぜ個人情報が出た段階で、正義を執行しようとしないのか?それは、人間であるがゆえに人殺しは御法度だからである。人間ゆえの道徳観が邪魔をしてSNSで罵詈雑言を吐くものの、行動までは移せない。
人間は人間も化け物も殺す事はできない。だが、化け物は人間を殺す。なぜか同族の化け物は殺さない。そういう風になっている。
未成年の化け物は成人になってからも化け物であり続けたものもいるが、それならなぜあの時に殺しておかなかった?結果、被害者が増えただけだ。化け物は人間にはなれない。化け物のまま。
別の話。過去に殺人事件を起こした未成年の化け物は、なんと今は家庭を持って子供もいる人もいるそうだ。人間の皮を被ってのうのうと生きているそうだ。周囲の人間は彼が化け物である事を知らないであろう。嫁も子供も。
お前はその子供と同い年の子を殺した事を隠している。人の皮を被って生きている化け物がそこら中にいる事実。
知った時は絶望した。被害者は苦しみもがき死に、化け物は、人として生きようとしている。
間違っている。この世界は間違っている。わかっている。みんなわかっている。この世界が腐りきっていて、化け物を野放しにしている世界である事を。食物連鎖の頂点に化け物は君臨している。喰われる事が必然であれば、化け物を喰らう者が居なくてはいけない。それを理解はしていても、何も出来ないのが人である。
だから、私は、
"人間の枠から出ようと決めた"
私はその未成年が誰もが持っている権利を使用し、罰を受けてない罪を犯した化け物を殺して回ろうと思う。所在など今の時代、調べればすぐにわかる。大人が裁かないのであれば、同じ未成年の私が裁こう。同じ化け物になってしまうと言われるだろう。だが、他者を死に追いあって、ヘラヘラと日常を送ってる化け物がいると思うと反吐が出る。
この世界は完璧ではない。完璧な世界なんて訪れないと思う。
残虐無残に殺された被害者の魂は、どうやって救済されるのであろうか?どうやったら成仏できるのであろうか?それは、相手に同じ以上の苦しみをもってして死を与える事だと思う。
これが、戦後最大の未成年の"化け物"が起こした、未成年無差別殺人事件に発展していく事になる。
無差別?いやいや、彼らは死に値するほどの犯罪を犯した化け物だ。
殺人?いやいや、奴らは化け物で人ではない。
そう、私と同じ"化け物"なのだから。
END
化け物 華也(カヤ) @kaya_666
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