第1話γ ( ^ω^)・・・?

クラス転移というものをご存知だろうか。

大雑把に説明すると、異世界に勇者として召喚されて魔王と戦わされるといったものだ。個人の転移と似たようなものと考えて良いかもしれない。

では、クラス転移が起こったとして元々クラスが存在していた学校はどうなるのか。

クラスにいた人たちに関する記憶が抹消されるわけではないから、突如として団体失踪したということになって世間は正体不明の恐怖に襲われる。

そのクラスにいた生徒の親御さんが一番報われないだろう。

教師…?そのことについては描かれることがあまりないため、考えるのは難しい。

しかし、今回のクラス転移では教師は巻き込まれなかったので良しとする。

だが、そのクラスには俺の従兄弟である白っちが居たのだ。

彼は前向きだが臆病で、達観しているとこがあるが変に抜けているところもある。

とにかく彼は俺にとってとても大事な存在と言える。

そう、俺は白っちを愛している。

そんな愛しの白っちがクラス転移に巻き込まれたとなると、俺は心配でたまらない。

白っちは可愛いからどこかで負けたら犯されるかもしれない。それだけは絶対阻止しないとね。

なぜなら、白っちを愛していいのは俺だけで白っちに愛されるべきなのは俺のみなのだから。

そんな冷静な俺は、右手で空間を引っ掻くような動作をする。

勿論右手は空を切る。しかし10秒後に空間が開き異世界への扉と変わる。

何処の世界に行くかは既に決まっている。

「待っててね、白っち。すぐ助けに行くから♡」

白っちこと白咲叶がクラス転移に巻き込まれた翌日、愛しの少年を助けに行くために一人の少年が空間をこじ開けて助けに飛び立った。

彼の名は、黒咲叶。白咲叶の従兄弟であり、自称婚約者の変人である。

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