第283話新装開店

 朝、グーグルマップを眺めていると近所に新しく喫茶店ができていた。普段通らない道なので気づかなかった。今日は曇りで少し涼しいので、さっそくその店に行ってみることにした。

 テクテク、テクテク歩いた。曇りとはいえ真夏だ。暑い。汗をぬぐいながら歩くこと20分。散歩にはちょうどいい距離だ。

 外装はシンプルな黒を基調とする店舗。悪くない。店内に入ると新しいだけあって、きれいだ。木目調の店内をぐるっと見回す。ふむふむ、悪くない。

 店員がお手拭きとお冷をもってきた。どうやらサービス旺盛な店らしい。メニューを見ると、基本高い。モーニングにしてはけっこうな値段だ。どおりで店員がサービスをするわけだ。

 メニューをみてしばらく悩む。初めて来たのだからちょっとは、高級なものを頼んでもいいのではないか。そんな思いもあって悩む。楽しい悩みだ。

 一番高そうなクラブハウスサンドにしようとしたが、ついつい庶民の悪い癖が出た。無難なスクランブルエッグを選んだ。

 先にアイスコーヒーがくる。ファミレスのドリンクバーになれた庶民としては、お代わりに追加料金が発生するのが気になったが、まぁいい。

 しばらく店内を見回す。棚に洋書などが飾ってある。ちょっとわざとらしいが、まぁいい。散歩コースにこのような店ができるのは大歓迎だ。少しは大目に見よう。

 スクランブルエッグがきた。のっている皿がでかい。サラダがこんもりとのっている。体にはよさそうだ。スクランブルエッグの塩加減もちょうどいい。大満足とはいかないが、それなりに美味しい。

 アイスコーヒーも美味しかった。ファミレスのドリンクバーとは違うわけだ。店内はクーラー効きすぎではなく、ほどよいそよ風が吹いている。長時間いてもいいですよと言われているようだ。温度がちょうどいい。なので、しばらくここで読書することにした。ワクチンを打ったので多少強気になっているので、朝早くの外食くらいはいいだろう。

 30分くらい本を読んだだろうか。気が済んだので、帰ることにした。ちょっと高いが、たまに気晴らしにくるには、ちょうどいい場所だ。また来よう。

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