第266話反論

 最近、とくにネット上では反論することが恐ろしくなってきた。私自身は議論を深める意味で、あえて反論してみることが多いのだが、相手はそれを自分が否定されたものだと思ってしまう。話し合いのなかで、妥協し同意ばかりしていては面白くもない。反論の余地があれば積極的にではないが、そこそこ反論してしまう私なのである。相手にもよるが、反論すると完全拒絶されることもある。最悪はブロックされる。なんとも後味が悪い。だから最近はほとんど反論というものをしなくなってきた。

 なんだろう、ネット上ではリアルよりも気を使ってしまう。相手が見えない分、傷つけてはいけないと過剰に思ってしまい、なかなか話し合いを盛り上げることができない。私が過剰に意識しすぎなのであろうか。

 カクヨムのコメントは一往復だけで終わる。なので、議論にはならない。そこがとても使いやすい。一往復であるため、純粋な応援コメントで終わる。ネット上で議論しようということ自体が無謀なのかもしれない。見えない相手とは、所詮は深い議論などできないということであろうか。

 たまに、たま~にであるが、ネット上で議論が面白く白熱することがある。そんな時は普段の遠慮などどこかへいってしまって、とことん議論しつくす。だから、ネット上で議論することに否定的なわけではない。だが、それは本当に稀なことだ。

 反論と賛同。その匙加減は本当に難しい。私の永遠のテーマだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る