第247話喜劇王トランプ

 最近、新聞を見ていてもあまりにまともなアメリカ大統領の記事が目立たない。言っていることはまともで非の打ち所がないのだが、まったくインパクトがない。政治に面白さを求めるのは邪道だとわかっていながら、トランプ氏が大統領だったころは不謹慎だが、笑ってしまうことが多かった。わずかだが、あの頃が懐かしいと感じる今日この頃である。

 と言っても、またトランプ氏に大統領をやってもらいたいとは絶対に思わない。面白がっているうちに世界が滅亡しかねない。そんなことはご免被る。ただ、バイデン大統領はまじめすぎる。演説が面白くない。全く面白くない。

 日本の菅総理大臣のつまらなさとバイデン氏がかぶっているように感じる。ともに高齢だからか、どうも演説に抑揚がない。平坦かつ平凡な言葉の羅列をただ語っているだけ。これでは支持率が低迷するのは必然だ。しかし、致命的なのはこの凡庸な指導者の代わりになる人物が見当たらないということだ。次の指導者となるような可能性を感じる人物は皆無である。政治の末期的状況かもしれない。

 政治家に魅力がなければ、若い人たちの心に何も響かず、ただただ政治が事務処理的作業と化してしまう。そうなったらビジョン無き政策が横行し、国家の指針もなく、ただつぎはぎだらけの個別の政策が乱立するという事態になりかねない。

 やはり政治家には愛嬌だとか、ユーモアだとか政治能力+αが必要なのである。

 コロナをユーモアで乗り切れるとは思わないが、もう少し政治に魅力を感じさせることは必要である。

 我々ができることは、精一杯政治に興味を持って生活を楽しむことである。トランプ氏の再来がないように、政治を監視していこう。

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