第242話恐怖

 昼休みに駅前をブラっとする。いつものコースだ。食べるものを選んで買っていく。だが、最近駅前の店が閉店することが多くなった。大抵は飲食店だ。店のシャッターに貼ってある閉店を知らせる紙を見るたびに少し恐怖を感じる。こうやって、コロナ禍でじわじわと人々の活動が減っていき、しまいには国家そのものが崩壊するのではという妄想にまで発展する。

 新聞で毎日のように失業者が増えているという記事をみたり、生活保護の申請者が増え続けているという記事をみたりする。それが、いよいよ目の前に迫ってきたような錯覚を覚える。

 今日も閑散とした駅前をブラブラしている。幸いにまだ仕事があるが、間接的にじわじわと押し寄せる失業者。他人事ではない。

 緊急事態宣言が延長されるらしいが、感染者がもう減ってこない。都では一日の感染者が平均300人といったところで減少がストップしている。緊急事態宣言の効果の限界がやってきたようだ。宣言が解除されれば、自然と感染者も増える。これではイタチごっこだ。

 なんとかするには、産業構造そのものを変革する必要があるかもしれない。たとえば、飲食店がほぼない世界でも世の中の人が生活していけるようにするなどだ。コロナが慢性化する以上、飲食店での売り上げは今後も見込めない。テイクアウト専用店にするなどして構造を変えていく必要がある。人々の価値観も変革していかねば、生活すらできなくなる人がもっと出てくるだろう。

 今から10年後を見据えた政策が必要になる。接待疑惑の追及など国会でやっている暇はないのだ。時間がもったいない。皆で考えていこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る