第241話コロナ禍の一年
去年のちょうど今頃、コロナで世の中が騒ぎ始めた。この一年、私にとってどういう一年であったかを振り返ってみようと思う。
まず、仕事が減った。残業がほとんどなくなり、平和が訪れた。仕事が完全になくなる恐れはないので、平和が訪れたと言っていいだろう。なので、家に帰る時間が早くなり、その分家で楽しく過ごした。何をして楽しんだか。一番の変化はラジオをよく聞くようになったことだ。以前から少しは聞いていたのだが、コロナ禍で一気に聴く時間が増えた。飲み会などが激減したので、自由時間が増える。それを何に使おうか考えたときにお金がかからず、長時間楽しめるという利点があるラジオを聴くという行為を選択した。
この一年で随分とラジオには助けられた。世の中の様子がラジオを聴くことによって手に取るように分かった。特に皆とコロナ禍を乗り越えようという気持ちを共有できたように感じられたのは大変大きい。
コロナ禍で変化のない生活を送る中、最もラジオで生活が潤った。感謝である。
次にハマったのは、読書である。最近は本屋まで行くのが面倒なので、kindleで読んでいる。この一年で随分と買った。一時期、芸人のエッセイにハマり、そればかり読んでいた。コロナ禍で役にたったエッセイといえば、太田光の芸人人語である。コロナ禍の様子を客観的に語り、冷静に社会を分析している。世の中の気分を代弁しているようだった。この人、テレビだと危ない人のようにしか見えないが、本を書かせるとなかなか鋭い。もっと本を書いたほうがいいと思うのだが、忙しいのだろう。
それからハマった本といえば、米澤穂信の推理小説である。「巴里マカロンの謎」という新刊が去年の今頃出た。短編小説なのだが、しっかりとした物語なので、何回読んでも飽きない。最後の結末はおっとと思わせる鋭いものだ。
主人公は、小鳩君という少々くせのある高校生。小山内さんというこれまたいわくありげな少女とコンビを組み、小市民として目立たない生活をしようとするが、この二人は小市民の枠に入らないくらいに頭がよく、事件に巻き込まれる。
その事件というのが、いつもお菓子にまつわるものなのだ。
小山内さんはお菓子に目がない。なので、事件には小鳩君が巻き込まれる羽目になる。小市民として生きるのなら、二人は一緒に行動しないほうがいいと思うのだが、運命は二人をいつもひきつける。何回読んでも楽しい。
とまあ、この一年はラジオと読書の二本立てで生活してきた。どちらも楽しく、お金があまりかからないという利点がある。今年は、この二本立てプラス、テレビを真剣に見るということに充てたい。今までテレビと言えば、暇つぶしか、たまに録画したのをぼーっと観るだけであったが、これからは、番組表をじっくりと観て何を観るかを考え、厳選した番組を録画して時間のある時に、じっくりと観る。そうすることで、今という時代を脳裏にしっかりと焼き付けておきたい。
時代を反映するメディアの最たるものは今でもテレビだと思うのだ。テレビを再評価し、ネット情報と同じくらいに駆使して時代を観察していきたい。
今年は何やかやで、やることが増えそうな予感。楽しみである。
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