第7話 一番好きな男④

私は恋愛している時、いつも頭で考えすぎてしまう。。

悩んで悩んで、人に相談してまた悩んで。。

結局、考えすぎて行動するのが怖くなって、二の足を踏んでしまう。。

その点、グイグイ突き進む女が羨ましい。。

彼が遠距離恋愛していた彼女も、どうやらグイグイ突き進むタイプの人だったようで。。


すっかり冬は終わり、春になりゴールデンウィークにさしかかった。。

私達は相変わらず、頻繁に会っていて、何でも話す仲になっていた。

飲みに行った時は、彼の女性遍歴を1人目から永遠と聞かされた事もあった。。

そんな話をされたら、嫌気が差してきそうだが、なぜかおもしろおかしく話す彼の過去の話を聞くのが楽しくて仕方がなかった。


そしてゴールデンウィークになり、彼が九州に里帰りする事になった。。

遠距離の彼女は広島にいるのだが、地元は九州らしく、たぶん彼女と会うのだろうな。。と思ったけれど、聞けなかった。。

彼は旅立って行った。。テニスで会ったあの日から、初めて5日間連絡が途絶えた。。

無性に寂しかった。。


やっと彼が帰って来る日!

待ちわびていた。。

仕事が終わって帰ろうとした時、彼からの電話が鳴った。

「ただいまー。今羽田に着いたよ。今から会えるかな?お土産買ってきたよ。」

すごく嬉しかった。彼も疲れているだろうに、空港からすぐに私に会いに来てくれるというのが、何よりも嬉しかった。。

いつもの飲み屋さんで待ち合わせをして、彼が到着するのを待った。

「ただいまー。」5日間会わなかっただけなのに、懐かしい気がした。。

「お帰りなさい。旅行どうだった?」

「うーん。。なんか疲れちゃったよ。実はさ。。彼女と会ったんだけど、俺の親と会いたいって言い出してさ。。」

「気を遣って疲れたよー。」

そう言って、笑っていた彼だったが。。

私にとっては、笑い事ではない。。

親に紹介したって事??

彼女は完全に周りから固め始めている。。

自分でも、一気に体から血の気が引いていくのがわかった。。

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