第3話 私の両親
私の両親は、過保護だ。
いや。。過保護を通りすぎて、束縛をしてくる。。
本人達は全く自覚がないようだが。。
むしろ、自由奔放に育てた。。と思っているくらいだ。。
愛情をたっぷり注いで、ここまで育ててくれた事は、とても感謝している。
お金にも苦労した事はない。
自分でも甘えているなと思う。。
でも。。学生時代からずっと、両親の束縛はツラかった。。
門限はもちろんの事、バイトもダメ、ライブもダメ、友達との旅行もダメ恋愛もダメ。。
あらゆる禁止事項があった。。
20歳を過ぎたら少しは緩むと思ったが、相変わらず監視の目は厳しかった。。
なぜか姉は会社に入ってからは、自由になっていた。。
姉に「私はいつまでも赤ちゃんだと思われているのかな?」と言うと、ケラケラと笑っていたが、笑い事ではない。。
人間ダメだと言われると、やりたくなってしまうものだと思う。。
だから私のような人間が作りあげられてしまったのだと。。
そんなに悪い事をしている訳ではないが、姉と比べると、転職ばかりしている。。不誠実な男との恋愛ばかりしている。。今だに独身。。
もちろん両親だけのせいとは言わないが、規制されている事への反発も大きかったと思う。
つきたくもないウソも沢山ついてきた。。
咄嗟の嘘がスラスラと出てくる人に成長してしまった。。
子供は多少放置して育てた方が、自立していいと思う。
もし自分に子供ができたら、自由に育てようと思っていた。。
今となっては、叶わぬ夢となってしまったが。。
そんな両親からずっと抜け出したいと思っていた私は、昨年思い切って一人暮らしを始める事に決めた。
まずは姉夫婦を見方につけて。。
予想通り、両親は大反対だった。。
でも、私の意志が固い事と、この年齢になってしまうと、ダメと言う明確な理由がなくなるという事もあって、しぶしぶ許してくれた。。
たぶん1年半が過ぎた今でも、本当はまだ納得はしていないと思う。。
なので、週1回は実家に帰らなくてはならない。。
それが今のストレスにもなっているのだが。。
何はともあれ。。40代後半にして、やっと親からの自立の第一歩を踏み出した。。
本当に遅すぎた。。
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