第75話 俺は魔法使いだー!

「なんだ!? なんだ!?」

 ドカーン! ドカーン! と地下から火柱があがり、区長室にいる新宿区長は驚く。

「火柱だと!? あっちは水柱!?」

 ドカーン! と次々と氷、雷、風、土の柱が立ち並ぶ。

「なんだ!? これは!? 何が起こっているんだ!?」

「あれは魔法で作られた柱だよ。」

 そこに望が現れる。

「おまえは何者だ!?」

「俺はクラス委員長の魔法使いだ!」

 望は新宿区長に堂々と言い放つ。正にその姿は皇帝のようだった。

「ま、魔法使いだと!?」

「そうだ。おまえと同じ魔法使いだ。よくも俺の華々しい計画の第一歩を邪魔してくれたな。死ぬがいい。」

「なに!? なんだと!? 子供の分際で、目上の人間に対する口の利き方がなってない! 死ね! クソガキ! 死魔法! デス!」

 新宿区長は魔法を放ち望を攻撃する。

「大人の分際で、子供の将来を邪魔するな! 俺の夢は誰にも消し去ることはできない! 俺は夢を叶える! 夢魔法! ドリーム・カム・トゥール!」

 望の魔法と新宿区長の魔法が激突する。

「なに!? 私の魔法と互角だと!?」

「俺の夢は誰にも奪う権利はない! 俺の夢は無限大だ! うおおおおー!」

 望の夢が膨張し、新宿区長を圧倒していく。

「ば、ばかな!? 私が、こんな子供に負けるなんて!? ギャアアアアー!?」

 新宿区長は望の夢魔法で滅び去った。

「フッ、俺の邪魔をする奴は消えていく運命だ。」

 そこに副院長たちがやって来る。

「どうだ? 戦況は?」

「はい。魔法渋谷の中心地を襲っていた新宿区の魔法使いを殲滅しました。尋問用の捕虜として1名だけ確保しました。」

「魔法原宿、魔法明治神宮、魔法表参道ヒルズを奪還。魔法代々木までの道は切り開きました。」

「魔法NHK放送局も取り戻しましたので、予定通り演説が可能です。」

 相変わらず副院長たちは望にこき使われていた。

「全回線を渋谷区長室につなげろ。」

 望は予定通りに進んで上機嫌である。


「いきなりの電波ジャックをお詫びします。私の名前は夢乃望。高校でクラス委員長をやっているものです! 皆さんにお伝えしたいことがあります!」

 突然、地上波やネットは全てジャックされ魔法渋谷区役所の望の映像が映し出される。

「なに!?」

「なんだ!?」

 映像が切り替わり驚く人々は映像に映る少年に関心を抱く。

「全渋谷区民の皆さん! 全世界で悪い魔法使いの攻撃を受けて、平和な幸せを脅かされている皆さん! 聞いてください! 魔法渋谷で起こった大悪党新宿区長による侵略事件は解決されました!」

 望の勝利インタビューが始まる。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る