第13話 魔法のスマホ

「ふう~、助かった。」

 望は黒い魔法使いとの戦いを終えて疲れ切り座り込む。

「大丈夫? 望。」

 希は望を心配する。

「神様! ナイスタイミングです!」

 美杉は、天界で小学生、人間界で女子高生なので、声は幼稚に大きい。

「美杉さんを人間界に下ろしておいて良かったです。おかげであなたたちの居場所が分かりました。」

「こらー!? 私はGPSですか!?」

 神様を神とも思わない美杉。

「で、天使様は何しに地上にやって来たんですか?」

「おお!? 忘れていた。実は神様から、これを預かってきたんだ。」

 渋谷天使、略して渋天は、スマホを差し出す。

「これは魔法のスマホだ。」

「魔法のスマホ?」

「今、おまえたちは変身する時はどうしている?」

「公衆電話に隠れたり、トイレに駆け込んで魔法使いのコスプレ衣装に着替えてます。」

 現代で魔法使いに着替えるのは大変である。

「そこで魔法のスマホを持って「変身! ウィザード!」と叫べば、魔法使いに変身できます。」

「おお!? すごい!?」

「魔法使いもデジタル化なのね!?」

 望たちは、魔法使いも時代の流れを感じる。

「何を言っているんですか? 天界では常識ですよ!」

 美杉は、魔法のスマホは普通だとフォローする。

「これが望、おまえの夢の魔法のスマホだ。」

「俺の魔法のスマホ。」

「おまえは、今日から夢ドリームの魔法使い望だ。」

 望は、渋天から夢の魔法のスマホを授かる。

「はいはい! 私にも魔法のスマホを下さい!」

 美杉も実は魔法のスマホが欲しかった。

「仕方がないな。おまえには何か適当なスマホが見つかるまでは、私の天使の魔法のスマホを貸してやろう。」

「やったー! 天使! 天使! 私は天使だー!」

 美杉は子供なので、プレゼントをもらえば何でも喜ぶ。

「他にも新アイテムを展開で開発中だ。何かあれば新しいアイテムが実装されるだろう。」

「おお! もっとたくさん便利グッツを開発してくれ!」

 望は、新アイテムに期待している。

「望、おまえも勉強をがんばれよ。」

「あっはっはっは。」

 笑って誤魔化す望だった。


「よろしくお願いします。」

「同じく。」

 次の日、望の通う渋谷スクランブルスクエア高校に転校生がやって来た。

「な、なにー!? なんでおまえらが!?」

 転校生は、黒夢クロムと黒花イバラだった。

 つづく。

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