第13話学業
二時限 スキル向上学。
レブスローギルド所属錬金術師
グレイス教授
訓練所
野外演習。
鉱物が採掘できる場所だった。
突然、眠気が襲ってきた。
【ゲーム学習能力レベルMAX】を使った後は眠気が必ず襲ってくる。
眠気の対策として【MP消費無限】習得したが、父の制限でそれは使えない。
使ったとしても、どういう訳か凄まじい眠気に耐えられず、瞑れば3日間ぐらい寝てしまう。
なんとか我慢するしかない。
気づくと、グレイス教授は女子生徒からキャーキャーと黄色い声援が送られていた。
爽やかなロング黒髪、甘いマスク、当然女子生徒から人気が出るはずだ。
それに、どんな粗末な石でも、武器に変える、【錬金術】レベル7スキルを持っているという天賦の才能を持っているのだから、女の子がメロメロになるのも分からなくはない。
更に20歳にして『天才錬金術師』として知られている有名人。
「君達……錬金のスキルは持っているのかな? 魔甲、武器を創る上で必須のスキルだよ。錬金術師はこれからもっと需要が高まる職だろうね。確かに、君達は異世界神を狩るために魔術師になっただろう。だから、戦闘系の魔術を磨くことは一番大事だし、それは優先するべきだろうね。しかし、異世界神は今の世の中、魔術だけじゃ倒せない。魔術が絶対不可侵でないんだよ。魔甲や武器を活用しなければ倒せない。だから、錬金術は必ず覚えるべきだ。まず、石をナイフに変えてみることから始めようか?」
「はい!」
「じゃ、まず、僕がお手本を見せようか?」
「キャーーーーーー!」
「女の子達……ちょっと静かにしててね……1、2、3」
グルイス教授は何の変哲も無い石板を、手で翳すだけで、閃光が走り、Bランクの大剣に変えた。
「……何が起きたんだ」
「すごい! 先生素敵です!」
「さすが……天才だ」
「一瞬だ」
教授は言い訳がましく、頭を掻きながら、
「まあ、こんな所だろうね。対象物がもっと良い物だったら、Aランクの武器に出来たんだがね」
「えぇぇぇ……凄い!」
凄いな。
グレイス教授は取り巻きの女の子達を掻き分け、俺に近づいてきた。
不敵な笑みを浮かべ、石ころをポンと手渡してきた。
「噂のゼルフォード君か……ずいぶん教授陣を困らせているようだね」
「いや……そのつもりはないんですが」
「君は戦闘系魔術が得意だと聞いてるけど、生産系錬金術は苦手かな? 厳しいこと言うけど魔術師はあらゆる術に対応しなければならない、君はまだ魔術師という物が何なんなのか知らないんじゃないか? 魔術師の世界は甘くないよ」
この教授は俺を挑発しているようだ。
何回目だろうか……教授からこのような挑発した両眼を向けられるのは。
確実に、俺は教授陣に嫌われてる。
ニコニコッと笑っているが、さすがに俺は16歳のただの子供だぞ。心の無いことを言われれば、心が痛い年頃だ。
「さあ、みんな! ゼルフォード君が素晴らしい錬金術を見せてくれるそうだ!」
ご丁寧に、辱めを受ける場までこの教授は用意してくれるようだ。
俺は苦笑いをして、その石ころを手に取った。
メタル 80%
クロンナイト 20%
形態 小さい石の塊
小さいが、鉄の成分は割とあるようだ。
すると、理解した覚えはないのに、俺の視界に膨大な数字が並び、俺は計算し、いくつかの完成した設計図が浮かび上がる。
直剣、大剣、双剣、片手剣、ハンマー、弓。
直剣にするか……。
【錬金術】レベル9
ランクA
威力 創造力+600 鑑定眼補助+600
効能
まず、下準備として対象物の含有量の成分を【鑑定眼】スキルで解析し、膨大な量の計算をし、魔力数式で導き出された錬金完成品の設計図がいくつかできる。
そこから、作りたい設計図を選び、創造力を働かせながら、創り上げる。
ちなみに、作り上げる時間には個人差がある。
魔力はほとんど使わない。
「君じゃ無理だよ。錬金術と云うものは知識と創造力を有する。魔力は必要はない」
すると、石ころは一瞬で、SSSランクの宝剣に変わった。
「ゼルフォード君すごいね」
「あんな石ころが……こんな武器に」
「ゼルフォードすげー」
「天才と呼ばれた先生より凄いじゃないか……あっ」
また……やってしまった。
グレイス教授にまた嫌われるな。
案の定、グレイス教授は目を見開いたまま、驚きに満ちていた。
握り拳を作ったところを見ると、相当怒ってるらしい。
「馬鹿な……不要品のただの石ころだ……」
このような感じで、読解語、魔法数式、グローバル語、魔法史、魔術学、魔甲専門学、異世界神学、スキル向上学、魔甲基礎、魔甲実技の学問を一年間、この学校で受けるのだ。
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