色々ありな令嬢と尻好き変態メイドの物語
風間 シンヤ
序章
プロローグ
「アリア・グランローズ公爵令嬢!!今日この日をもって貴様との婚約を破棄するッ!!!」
マグノリア王国の王太子であるガラン王太子は、婚約関係にあったアリア・グランローズ公爵令嬢に、あらゆる貴族が集まるこの夜会でそう宣言する。婚約者からの突然の宣言に驚き固まるアリア。しかし、これだけではなかった。
「そして!アリア・グランローズ!!お前がマリアナ男爵令嬢にしてきた数々の所業!!断じて許す訳にはいかん!!」
そう言ってガラン王太子と、王太子の側近達に守られているマリアナ・リーベル男爵令嬢は怯えた瞳でアリアを見ていた。
そして、ガラン王太子の側近で宰相の息子の1人がアリアがマリアナにしてきた数々の所業を読み上げる。
それは、本当に酷いもので、ノートを破く。靴を隠す。取り巻きの令嬢をけしかけて難癖をつけるのは当たり前。更に酷いものだと、マリアナを階段から突き落として怪我をさせたなどの殺害未遂に近い事までやったのだと……
「ガラン様!?私は知りません!?そんな事などやった覚えがございませんわ!!?」
アリアは必死で無実を訴えるが、ガラン王太子はそれを鼻で笑って一蹴する。
「言うと思った。だが、お前の取り巻き令嬢からの証言。お前が何回もマリアナに嫌がらせをしたという目撃情報。更に、マリアナがお前に呼び出されて階段から突き落とされたと証言しているんだ!!最早言い逃れは出来ん!!」
ガラン王太子はそうきっぱり言い切る。更に、そこにトドメを刺すようにアリアの弟であるリオン・グランローズが証言をする。
「見苦しい言い訳は公爵家に泥を塗るだけだよ。姉さん。姉さんがマリアナへ恨み言を言っていたのは僕はよく耳にしていたんだから」
身内であるリオンのこの発言により、最早場の雰囲気はアリアがマリアナをどうにかしていたという空気が出来上がり、アリアを断罪せよとの声が高まり始めた。その声に応えるようにガラン王太子は更なる宣言をする。
「アリアがマリアナへの数々の嫌がらせを行なった事は明白である!よって!アリアを貴族界から除名と!斬首刑を言い渡す!!」
ガラン王太子にその宣言に、一部の者はいささか重すぎでは?という声も上がったが、マリアナ愛らしく怯える姿を見た瞬間、すぐに心変わりし、アリアはそれだけの罪を犯したから仕方ないという空気に変わっていった。
「斬首は数週間の後に行う!それまで!兵よ!!アリアを牢へと閉じ込めておけ!!」
ガラン王太子の命を受け、兵はアリアを拘束しようと動く。しかし、それよりも先にアリアが動いた。護身用の短剣を抜き、自分を貶めたであろうマリアナに向かって行った。
しかし…………
「お嬢様。残念ですわ」
アリアは最後に一矢を報いる事は出来なかった。自分が一番信頼している専属メイドのメイによって、剣で胸を貫かれた事によって……
「くっ……!?かっ……!?はぁ……!?」
何故貴方が私の邪魔を!?と言う言葉を口に出来ないまま、アリアはガクリとその場で倒れ伏した…………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます