証言者Bの供述
部長をやられていたんですか?
「はい」
現役時代の演劇部は、どんな感じでしたか?
「まとまりがなくて大変でした。今の三年生と二年生の仲があんまり良くなくて……そもそも相性が悪かったのかもしれません」
引退された後の演劇部は、Bさんから見てどんな感じでしたか?
「聞く所によると、あんまり上手くいっていなかったようですね。新入部員は一人しか入らないし、文化祭でもトラブルがあったみたいで」
……そうですね。
「仮入部にも、その一年生一人しか来なかったようですね。演劇部にとっては、結構な痛手だったのではないでしょうか」
文化祭のトラブルというのは、どのようなものと聞いていますか?
「聞いた話だと、朝来たら部室が荒らされていたようです。文化祭で使う、大道具や小道具が壊されていたみたいで」
それに対して、演劇部はどのような対応をしたかご存じですか?
「正直……自分のクラスが手一杯だったので、その辺についてはよく知りません。うちのクラス、焼きそばをやったんですけど、材料が足りないことに当日の朝気付きまして……文化祭の予算はもう使いきってしまっていたので、どうしようどうしよう、ともう大慌てだったんです。まあ結局、誰かがお金を出してくれてなんとかなったんですけどね。そんなことがあったので、演劇部の方は全然知らないです」
演劇部が廃部になった原因は、なんだと思いますか?
「運営の悪さが原因ではないでしょうか。部長は全然仕事をせず、全部副部長が率先してやっていたようですし」
そうですか……
「新歓の時に、もっとちゃんと注意しておくべきでしたね」
新歓の劇に出たと聞きましたが、Bさんから見てその劇はどんな感じでしたか?
「よかったんですけど、本番までが大変でしたね。どうしても殺陣をやりたくて、台本にそのシーンを入れたんですが、なかなか思うようにいかなくて。全然出来なくて、練習の時は相手に結構迷惑かけましたね。けど、本番では上手くいってよかったです。お客さんも期待通りの反応をしてくれましたし、大成功でした」
新歓の劇は、Bさんが台本を書いたんですか?
「はい。インパクト重視で書きました。だから、私が部活に乗り込んで大暴れをするという、大胆な劇になったんです」
なるほど。では最後に、演劇についてどう思っていますか?
「私は演劇を愛しています。観ているお客さんを楽しませることが、演劇の醍醐味だと思っています。自分たちだけが楽しい演劇は、ただの自己満足です。私はそう思いますね」
大変参考になりました。貴重なお話、ありがとうございました。
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