青く 白く 輝いている




11ヶ月前の君は 宵の明星の存在に気がついた

半分だけで その姿が霞んで見えてた月がすぐ近くにあっても

さっき その姿を隠したばかりの夕陽に照らされて

金色に輝く星に手紙を送ったんだ


9ヶ月前の君は こんなにも無数の星々の中から

やっぱり ひときわ輝く宵の明星を選んで早見盤に印をつけた

月との距離が 君の目の届かない位置になったとしても

満月の日くらいしか探さなくなったんだ



こんなにも地上を蒼く照らす月よりも

自分だけが光っている星を君は選んだ

こんなにも地上を長く照らす月よりも

ほんのわずかな時間 強く光を放つ星を君は選んだ



3ヶ月前の君は 鋭く切れる三日月に盾を構えた

いとも簡単に切っ先は欠け ねじれた光は夜空に散乱した

勝ち誇った金色の光は 照らす夕陽の存在すらも忘れさせて

永遠の命をもらったかのように瞬いたんだ


そして 今の君は 早見番をとっくに使わなくなっていた

明けの明星すらも手に入れた君に 蒼い光は必要なかった

満月の強い光は幾分なりとも邪魔をするから

そんな夜は目を瞑ることにしたんだ



月から見える君は 青く 白く 輝いている

君から見えぬ新月であっても

君が雨雲に覆われていても

眠れぬ君が明星に手紙を送っていても


今日も

月から見える君は 青く 白く 輝いている





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