年下後輩一途ちょびっとヤンデレ
渚雅 探瑠
読み切り……
中学時代ずっと引っ付いてきた後輩がいる。友達と遊ぶことなく、俺と同じ部活、俺と同じ委員会、登校から下校までずっとついてくる後輩だ。
まぁそこまで鬱陶しくなかったし、頼み事とかもボチボチ引き受けたりした。
「先輩ってさ彼女欲しい…………?」
ふと、そんな質問を投げかけられる。
「まぁ……いたらいいな…」
間の抜けた返事で返す
「あたしがなってあげようか?」
どこかでそんなことを言われるような気がしていた。
クラスの女子とも話さず唯一周りにいた異性がそいつで、おそらくこれを逃すと彼女なんてものには無縁の存在になるんじゃないのか……………。
「そーだな考えとくでもお前来年受験だろ?まずそっちを何とかしろよ」
正直男女の付き合い方なんてよく分からない、今のままの関係で良くないか?
「わかった………」
多分それが最後なのだろう………。
俺は先に高校に入学した。
だが、何故かあいつが登下校しっかりついてくる。
俺に気を使っているのか少し後方を歩いている。さすがに声をかけると、周りを歩いてる友人に変な目で見られそうなのでスマホでメッセージを送る
「どうかしたか」
送信と同時に既読がつき数秒も経たずに帰ってくる
「なんでもない」
多分嘘だろう
「ならいいけど、学校間に合うのか?」
「間に合う」
そんなやり取りをしていると自分の高校に着いてしまった。
「今日も一緒に帰るのか?」
振り返って彼女の顔を見るとこちらを見て頷いている。
「わかった」
メッセージで反応する。
何故か、あの日以降このような登下校が続いている。少し開いた距離で彼女は俺のことを見ながらついてくる。中学時代からの付き合いだから、すっかり慣れてしまっていた。
おかげで、授業中もあいつの事を考えてしまう。
黒板の文字をノートに写しながら授業を聞き流していると、ふと、自分のポケットが震えた。
休み時間に確認すると、
「今日少し予定が入って一緒に帰れなくなりました。」
「わかった、また明日」
多分進路関係でバタバタしているのだろう。
そんなことを考えていると……。
「ねぇねぇ今日日直でしょ?職員室にプリント取りに行くの手伝ってよ。」
女子が話しかけてくる。
そういえば今日は日直だったな
「わかった。行こう」
立ち上がるとまたスマホが震えた。
画面を見るとまたあいつからだ
「まだ考えくれてますよね……」
「なんだ?やっぱり帰れるようになったのか?なら放課後にな」
メッセージを送りスマホをしまう
日直の仕事も終わり午後の授業も全て受け終えて帰りの支度を整える……。
「ねぇ、ちょっといい?」
今度は別の女子が声をかけてきた
「これから男子と遊びに行くんだけどよかったらどう?」
視線の先には自分とよく絡むクラスメイトの面々がこっちを見ていた……。
しかしスマホのトーク画面を確認すると先程の言葉に返信が帰ってきてた
「待ってますね………」
「ごめん、ちょっとこの後予定があって」
正直に話して断ろうとする。
「またあの子か?」
今度は登下校一緒につるむ連中が茶化してくる
「もしかして彼女?」
「いやそんなんじゃないよ」
関わりはあるがそういう関係ではないことだけしっかり否定する。
すると再びメッセージが追加される
「考えてくれてないんですか?」
……………………。
……………………………………。
………………………………………………。
背筋に冷たい汗が流れる………。
まるでこの会話を聞かれているようなタイミングでのメッセージ……。
「お前今何してる?」
震える指でメッセージを打ち送る……。
「待っています」
確かに一緒に帰る約束もしたし、待ち合わせる場所も教えた………。
だが、俺はその待ち合わせ場所にいるとは思えなかった………。
「ちょっとごめん!!」
クラスメイト達を押し退けカバン片手に教室を後にする
トーク画面を眺めても更新はない………
「俺も今向かってる」
早歩きになりながらメッセージを送る。
その途中で先程のメッセージの整理をする。
「待っている」「考えてくれてないんですか?」
俺とあいつが最後に話した内容………。
「考えとく………か………」
そんな言葉を思い出し、彼女との約束の場所に到着すると………
「あ………先輩………」
今にも泣き出しそうな声で彼女は正門にもたれかかっていた………。
俺の高校ではなく、あいつの母校
約1年ぶりだろうか………。
彼女の声を聴いたのは………。
彼女はずっと待っていてくれたのだ……。
「……………………おう」
待っています…………。
俺が答えを出すのを……。
「あのさ………」
あとがき
こういうのじゃないんだよ………。
まぁ数書いて色々身につけなきゃなので載せときます。
年下後輩一途ちょびっとヤンデレ 渚雅 探瑠 @meruran
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