第12話 絆とは

「かあさん達も絆が出来たんだよね」


「ええ、そう言った筈だけど」


「いつまで絆が繋がっていたの?」


「ふ、ふ、ふ、それは、ひ・み・つ。暫くすればあなた達にも解るわ」


と意味ありげな笑みを浮かべている。俺はつぐみさんと顔を見合わせるしかない。


『今の発言からすると、何処かのタイミングで絆が無くなるって聞こえたけど、どうおもいます?』


『わたしは、なんとも言えないわ。あの含みのある笑みに何か隠されているような気もするの』


『そうだね、俺達にもそのうちに、が引っ掛かるな』


『まあ、成るように成るわけでしょ、お母さん達も大変なことには成ってはいなかった様だし』


『そうかな?』


「かあさん、絆が繋がっていて大変だった事って何か有った?」


「そうね、絆が有って乗りこえられた事は有ったけれど、有って困ったことは無かったと思うわ」


『そう言えばさっきの話のなかで、親父と過ごした朝にラルカが出てきたって言ってたよね。それってした後って事じゃない?となるとする事が解ける条件じゃ無いってことに…』


『もー、するとかしたとかって、お母様に失礼じゃない。きっとお父様と一緒に星でも見て夜を過ごしたのよ、きっと』


と言いながらも、少し赤面している。俺は疑わしいと思うが…それは置いておいて、問題は状況が好転していないこと。つぐみさんとは、話せるくらい親密に成れた(のかな)訳だが、状況は変わらない。


「ところで、ふたりは何処で出会ったの?」


「かあさん、それは…」

『私が話すわ』


「お母様、俊哉さんとの出会いは…」


と、彼女目線の話が始まる。良い悪いは別にして、今日のエピソードに来るまでに暫く掛かりそうだ。その間に、得られた情報を整理してみる。


1.俺達、かあさん達、どちらもラルカの子孫に関係して絆が繋がった。


2.かあさんはラルカと以前は話せたが、今は姿が見えるだけのようだ。


3.父さんとの絆は今だにあるかは不明


4.絆によって助かったことはあれ、問題は無かったとのこと


 これを考えると、つぐみさんかオーケーしてくれればこのままでも良いのではないか、と思えてくる。


 なんて考え込んでいる間につぐみさんの話は我が家に着いたところまで来ていた。


「…で、部屋におじゃさせて頂いて、ピザを待ちながら今後どうしようと話しているところに、お母様が帰宅されたんです」


『そこは、同人誌読みながらじゃ』

『細かいことはいいの』


「そうなの、一日もしない内に、こんなに仲良くなれるのは、お互い引かれ合っていたからね!」


「お母様もそう思います!」


 なにか、盛り上がっているが、これはつぐみさんもまんざらじゃなくて、かあさんも公認、恋人フラグが立った、と言えるのでは!!


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