予防線

いつも傷つきたくないから

予防線を張る


上手くいかないだろうけどという予防線

こんなにダメなヤツですという予防線

そうすれば、少なくとも

失望されないんじゃないかと


期待に応えられなかった時の

ガッカリされるあの空気

だって元々、そんな能力はなかったのに

それらしく見えるだけで


失望されて去られても

仕方ないという予防線

追いかけたりはしませんから

ご安心をという予防線


予防線だらけで

わたしはいつしか身動き出来なくなって

曖昧な微笑みを浮かべながら

世界を見ている


どこを見ればいいのか

わからなくなりながら


世界を見ている振りをしている

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