硝子の湖
すごく好きなブローチがある
楕円形の古いもので
とろみを含んだような青色の
周りを囲んだ草花の銀細工は
少しくすんでいる
まるで草原の中にある湖みたいで
わたしはついつい
吸い込まれるように
空想の世界に入り込んでしまう
そこでは気持ちよい風がそよぎ
草木を通り過ぎ、わたしの頬を撫でていく
裸足で歩いていくと小さな湖
深く澄んだ青が静かに揺らぐ
心が疲れた時に
わたしはこんな空想の旅にでる
小さな硝子の湖がわたしを待っている
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