向かい風に立ちながら

自分の弱さに

今更ながら

泣き出してしまいそうな夜


だけど今泣いてしまえば

堤防ていぼうが崩れるように

留まれなくなってしまうから


向かい風の中、立ちながら

自分に言い聞かせる

ここが強がりどころだ、と


助けを求めて叶えられる人もいるだろう

だけど、自分で何とかするしかない

そんな人間もいるわけで


どうしようもないこと、とか

ままならない現実というものも

確かにあるわけで


どこまで強がれるかはわからない

次の瞬間に動転して

みっともなく泣き喚いているかもしれない


わたしの強がりなどは

その程度の薄っぺらさだろうけど

それでも


そうだとしても

ずっと守られる者ではなくて

守る者として生きてきた


望んだ訳ではない現実に

他人ひとうらやまなかったといえば

嘘になるけれど


向かい風に立ちながら

わたしのできる全てで


足を踏ん張ろう

どんなに怖くても


まだ、泣くんじゃない

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