気仙沼時代3 2014年07月19日(土)
新潟までは在来線を使って山形経由で行った。行くまでに1日かかったかな?
山形の鬱蒼(うっそう)とした森を抜けて、どこで新潟に入ったのかわからなかったくらいだ。
でも電車から見る夕日のあのオレンジの郷愁(きょうしゅう)に満ちた光が一番印象的だった。
ガラケーの携帯で田舎の沿線を駅のホームから写真に撮ったりしたのだ。
10万円も貰(もら)ったからちょっと良い目のホテルに二泊して二泊三日の旅だった。
何か色々な事を思い出したり、心の整理をするような旅ではなかった。
新潟で、海に行って誰かと出会えたりしないかなぁとか、そんな出会いを期待してるような旅だった。
一泊して海水浴に行ったけど、シーズンが終わった海水浴場はそんなに賑(にぎ)わってなかった。
客はただ自分一人の海の家で焼きそばを食べてテトラポットで塞(ふさ)いである海の風景に写真で見るのと随分(ずいぶん)違うなぁって思った。海には入らなかった。
古町辺りの繁華街(はんかがい)を彷徨(うろつ)いて、日本海は夕日が海に沈むんだよなぁなんて思ってるうちに日は暮れてしまって、海で夕日が沈む所は見なかった。もったいない所である。
でも新潟の海水浴場からは佐渡ヶ島が見えて、その向こうに沈むのだから海に沈むと言った風景ではないのかもしれない。もちろん、佐渡ヶ島まで渡れば十分に海に沈む夕日を堪能(たんのう)できるとは思うのだが。
若者が集まるようなクラブみたいなバンドが演奏するような酒場を見つけて入ってみようかと思ったが入らなかった。
結局、古町の歓楽街(かんらくがい)でガールズバーに入っていつものキャバクラで遊ぶような感覚でお酒を飲んだだけだった。気仙沼から来たというと、新潟の人は面白がって話に乗ってくれはした。思い出にはなったけど、私が思い描いてるようなロマンチックな出会いにはならなかった。
夜の繁華街(はんかがい)でナンパもしてみた。でも「これから仕事なの。」とか言って断られたのを覚えている。
風俗も利用しようかと思った。でも会ってみた人の当てが外れたので帰りに仙台に寄って21に会って遊んだ。「新潟に行って来た。」と言っていつも通りに遊んでもらったのである。
幾分(いくぶん)機嫌(きげん)が悪かったのは10万円も貰(もら)って少ししかお金を残せなかったからかもしれない。なんでだか、少し言い合いになったのを覚えている。私も仕事が決まらずに焦っていた時期だった。
まぁ、一人旅と言っても、計画的で実りの多い旅行ではなかったんだ。
でも新潟まで行ったこと。夕日が綺麗だったこと。それは思いの外(ほか)私の記憶に残った。
新潟の知らない街を宛(あ)ても無く一人で歩いたあのなんというか孤独な感じは、何をやっても駄目だったんだよなって可哀想(かわいそう)な自分を守ってやりたくなるような、寂しそうな自分の影を遠く今でも思い出す…
そんな思い出だ。
まぁ親から10万円も貰(もら)って女遊びに費(つい)やしたってそれだけの事をこんなふうに書くなんてどうかしてると笑いたい人は笑って下さい。
そういうところに行く人は生理的に無理って人もいるでしょうね。
でも、私にとって21との逢瀬(おうせ)は実に恋愛に似たものだったし、出会いがないとか寂しいからとか、男の人ってそういう理由で女の人に金出してまで会いに行くんだと思いますよ。特に大勢友達が居るとかそういうんじゃない人は。
でも、いい区切りにはなったんじゃないですかね?気晴らしっていうのかな?一人だったし、そんなに楽しめたわけじゃなかったけど、帰って来て面接まで漕(こ)ぎ着(つ)けた会社にすんなりアルバイトでの契約が決まります。
次からはアルバイトのスーパーマーケット時代の話と他に幾(いく)つか書いて置きたい事があるんで書いてみますね。
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