大学時代16 2014-02-23
大学時代もそろそろ佳境に入って来ました。
この他に思い出深い出来事と言えば、そんなに縁はなかったんですが不思議な体験をしたことがあります。
私は単に綺麗だな。可愛いなと思って、デザインノートにその女性の後姿をスケッチしたりしていました。
昼休みにタバコを吸いながら、いつものテラスでその女性を眺めてたんです。名前は下の名前しか覚えてません。
19と言いました。一つ学年が下の絵の上手な女性でした。
19を少し意識し始めた頃です。といっても同じ大学に通っているという以外なんの接点もない女性でした。
放課後にウェンディーズでご飯を食べてタバコを吸ってた時でした。
19とその友達が隣の席に座ったんです。私はタバコ吸ってるふりして19たちの会話を聞いていました。
19の友達はタバコを吸っていて、一日に10本くらい吸うって言ってました。
19にはどうやら社会人の彼氏がいるようで、タバコの臭いやビールの臭いは気になる、みたいな話をしてました。
私はそこで「それなら一月(ひとつき)5000円くらいだね。」ってタバコの代金を計算して隣の席に不意に言葉を投げかけたんです。
今しか19と話すタイミングは無いと思ったんでしょうが、スマートな声かけにはなりませんでした。
タバコを吸ってる女性は私の方を訝(いぶか)しげに見ました。
ですが19は「数えてくれたよ。」と一言その友達に言ったんです。
19には悪く受け止められませんでした。
ですが、話に加わるとか、それを機に仲良くなったとかそういうんじゃありません。
ですがある日、生物の授業で19と一緒になって「前の席空いてます?」なんて聞かれて、ドギマギしながら、「ええ、空いてますよ。」なんて話して19は私の前に座りました。
生物の授業では大学内で育ててる植物を一束ずつ切って生徒に回覧させてたんです。
私は19に花を渡しました。その時です。
中指から薬指の先端が19の手に触れたんです。
一言でいうとドキドキしました。身体中の細胞という細胞が快楽に打ち震えるようでした。
身体の奥の方から温まって、背中と腹の間の身体の芯がブルブル震えました。
ジェットコースターに乗ると降りる時にゾクっとする浮遊感に似ています。
指先が当たっただけです。これだけでこんなに感じるのなら19と抱き合ったらどんな心地がするのか、もう想像できない程(ほど)感じるはずだと不覚にも想像してしまいました。
それから、19の肌に触れないように花を丁寧に手渡して努めて平静を装いました。
それ以降、19を見かけることは度々ありましたがなんの縁もなかったです。
ですが、肌が合うっていうのはこういう事を言うんだなとはっきり自覚しました。
19が私の指先をどう感じたのかはわかりませんが、もし同じように感じてたとしたら、肌の合う異性というのは離れがたい間柄になるでしょう。
例え家庭があっても、好きな相手でなくても、身体を求め合う快楽に二人は溺れることと思います。
そんな間柄になった人はこれまでにいません。ですがそう感じさせる、それを想像できる瞬間に立ち会えたのは、私にとって貴重な経験でした。
否が応でも意識してしまう、忘れられない女性となりました。
色白でとても肌が綺麗な女性でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます