友達

ぺんなす

第1話 日常の変化

「優衣ちゃん起きて!朝だよ!」

朝。

私はいつもどおり、優衣ちゃんを起こしに部屋へ行く。

「優衣ちゃんおはよう!!」

「真衣ちゃん…おはよう…」

「おはよう優衣ちゃん。なんか今日はいつもより眠そうだね」

「んー…なんかいつもより十倍くらい眠い気がする…」

「昨日夜遅くまで撮影してたもんね。今日学校休む?」

「大丈夫。最近あんまり学校に行けてなかったから、行けるときに行かないと」

「うんうん!!」


その日は、優衣ちゃんがいつもより少し眠いところ以外はいつもどおり学校へ行った。


学校の帰り道。

私と優衣ちゃんの平和で幸せな日常が消えていった。


「優衣ちゃん今日は帰って何しようか」

「うーん…真衣ちゃんと一緒に寝る」

「いいねー一緒に寝よう!!今日はお仕事無いからゆっくりできるね」

「うん」


そんな会話をしていると目の前に突然真っ黒のお化けみたいなのが現れる。


「何っ⁉」

「真衣ちゃんこの真っ黒さんなんか危ない感じがする」

「そうなの?とりあえず逃げよう優衣ちゃん」

「うん」


私と優衣ちゃんは、一生懸命走って逃げた。

でも、真っ黒のお化けはずっと追いかけてきた。

私たちはいつの間にか行き止まりに来ていた。


「真衣ちゃんどうしよう…行き止まり…」

真っ黒のお化けがこちらの迫って来ている。

優衣ちゃんの手震えてる…。

どうしよう…このままじゃ優衣ちゃんが危ない…。


「優衣ちゃん…私があの黒いの引き付けるから優衣ちゃんは逃げて」

「でも…そんなことしたら真衣ちゃんが…」

優衣ちゃんが今にも泣きそうな顔で私を見つめてきた。

優衣ちゃんと離れ離れになるのはしんどいけど、優衣ちゃんを守るためだし仕方ないよね。

私は自分にそう言い聞かせ、優衣ちゃんの手を離した。



真衣ちゃんが…真衣ちゃんが私から離れていく。

真衣ちゃん…いかないで…私を一人にしないで。



うう…。これヤバイかも。

このままじゃ私ホントに死んじゃうかも。

私が死んだら優衣ちゃんはどうなるの?

私、もう優衣ちゃんを悲しませないって、一人にしないって約束したのに…。

ごめんね優衣ちゃん。

私もう優衣ちゃんと一緒にいれないみたい…。



その時私を襲おうとしていた、真っ黒のお化けが炎に包まれ消えた。

真っ黒のお化けが消えると目の前には、手に炎をまとった優衣ちゃんがいた。

優衣ちゃんはその場で気を失った。





ここはどこだろう。

私の目には見慣れない天井が映っていた。

見渡すと、私の手を握ったま寝ている真衣ちゃんがいた。

私なんでここにいるんだろう。

「優衣ちゃん!!良かった!!生きてる!!私のことちゃんと見てる!!可愛い!!大好き!!」

「真衣ちゃん…ここどこ?私、どうなったの?」

「ここは病院だよ。あの黒いお化けを優衣ちゃんが倒したの。そしたら、優衣ちゃんが倒れたんだよ」

「私があの真っ黒さんを?」

「もしかして覚えてない?」

「うん…。全然覚えてない。あの時は、ただ真衣ちゃんにいなくなってほしくないっていう気持ちでいっぱいだったから」

「そうだったんだ。優衣ちゃん私のためにありがとう。でももう危ないから手から火なんか出したらだめだよ?」

「うん」



突然ドアをノックする音が聞こえてきた。

「誰だろう?私見てくるね」

ドアを開けると、男の人が二人立っていた。

「どちら様ですか?」

「こちらに、新崎優衣さんがいると聞いてきたんですが」

もしかしてファンの人?

でも、なんで優衣ちゃんが病院にいるって知ってるの?

もしかして、優衣ちゃんのストーカー?

優衣ちゃんを守らないと!!

「優衣ちゃんに何の用か知らないですけど優衣ちゃんはいま休んでるんです!!ストーカーはお帰りください!!」



「ちょっと!!ドア閉められちゃったよ⁉どうするの新海?」

「やっぱり、るかを連れてくるほうがよかったんじゃ」

「るかちゃんはいまお仕事で忙しいから無理だよ。それに今のかんじ、るかちゃん連れてきてもあんまり変わんない気がするけど…。」

「確かにそうかもな…。」

「まあとりあえず誤解を解かないと」



再びドアをノックする音が聞こえてきた。

「またさっきのストーカーかも。待ってて優衣ちゃん」

「ねえ真衣ちゃん。その人たちホントにストーカーさんなの?」

「それは…わかんないけど…とりあえず今度はちゃんと話聞いてみる」



「ご用件は何ですか?」

「新崎優衣さんにお願いがあるんです」

「お願い?」

「はい。直接お話ししたいんですが」



「優衣ちゃんこの人たちが優衣ちゃんにお願いがあるんだって」

「私にお願い?」

「はい。お二人は黒い怪物に遭遇しましたよね?そこで新崎優衣さんが怪物を倒したと聞きました。ですので是非我々に力を貸してほしいのです」

「それって…」

「まあわかりやすく言うなら、僕らと一緒にあの黒い怪物と戦ってほしいってことかな」

「そんなのだめに決まってる!!優衣ちゃんに危ない事させられない!!絶対ダメ!!」

「えっと…なんで君がダメって言うのかがわからないんだけど…」

「我々は君に聞いているのではなく新崎優衣さんに聞いているんだ」

「私がダメって言ったらだめなの!!」



真衣ちゃん怒ってる。

私が何とかしないと。



「真衣ちゃん、私…戦わないよ。私、真衣ちゃんから離れたくない」

「優衣ちゃん!!そうだよね!!約束だもんね!!」

「そういうことなのでお断りします。ごめんなさい」

「まじか…」

「本当にそれでいいのか?いくら一緒にいるといっても世界が滅んだら君たちの幸せは消えてなくなるぞ。それでもいいのか?」

「だって戦うときも真衣ちゃんと一緒にいたいけど、そしたら、真衣ちゃんが危なくなっちゃうし。それに、私が戦わなくても、あなたたち二人が戦うんですよね?それなら私がやらなくてもいいと思います」

「ほら!!優衣ちゃんが嫌だって言ってるんだから早く帰って!!」




「優衣ちゃん元気になってよかった~」

「心配かけてごめんね」

「全然気にしてないよ!!私は、優衣ちゃんが生きててくれるならそれでいいよ」

「私も真衣ちゃんがいるならそれで…いい…」


「こんにちは。仲良しお二人さん」

「誰?」

「俺は、エル。君たちに試練を与えに来たよ」

「試練?」

「そう。この黒い怪物【クロ】っていうんだけど、こないだもみたよね?もう一回戦ってもらうよ」

「え?」

「行け」


クロが私たちを、襲ってきた。

どうしよう。

危ないからダメって言われたけど、このままじゃ、真衣ちゃんんが危ないし…。



「真衣ちゃん…私が真衣ちゃんを守る」

「えっ…でも、危ないよ優衣ちゃん」

「そうかもしれないけど…私…真衣ちゃんを守りたいから」

あれ…どうしてだろう。

何の力も出ない。真衣ちゃんを守りたいのに…。

どうして…。



どうしよう。

このままじゃ。優衣ちゃんんが…。

私を守ろうとしてくれたのに、うまくこないだの力を使えないみたい。

私が何とかしなきゃ。でも、どうやって…。

私には、優衣ちゃんみたいに特別な力ないし…。

ううんあきらめちゃダメ。優衣ちゃんとずっと一緒にいるって約束したんだから。

私のことを守ってくれた、助けてくれた優衣ちゃんを、今度は私が守る!!



私このまま死んじゃうのかな…。

真衣ちゃんとの約束守れないまま死んじゃうのかな…。

そんないやだよ。真衣ちゃんとずっと一緒にいたいよ…。

助けて…。そばにいて…。真衣ちゃん…。



その時私の目の前にいたクロが氷に包まれて消えた。

クロが消えると私の目の前には、氷を手にまとった真衣ちゃんがいた。


「よかった。優衣ちゃんのこと守れた」

「真衣ちゃん!!大丈夫?」

「うん。平気だよ」




いいね。

順調順調。

待っててねアル。

俺、アルのために頑張るから。




あの後、またあの二人が私たちのところに来て、一緒に戦ってほしいといってきた。

優衣ちゃんと私は、二人でずっと一緒にいるために、二人で戦うことにした。

あのクロっていう怪物は、人間の感情から生み出されているらしく、クロを使ってこの世界を滅ぼそうとしている【トル】という組織があるらしい。

トルという組織は、今までいろんな惑星を滅ぼしてきたらしい。地球には、かなり前から来ていたけど、なぜまだ滅ぼされていないかは不明。最近になって、クロが出てきたらしい。


優衣ちゃんと私は、そのトルに対抗するために作られた学校に通うことにになった。

私たちは、とある部隊に所属することとなった。

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