第8話 緑の庭園

 ドアを開くと、そこには柔らかな陽射しを浴び緑の葉を茂らせた木々に色とりどりの花々の咲く庭園があった。

 あまりにも美しい風景に、わたしは思わず一歩そこへ踏み出す。

 裸足にひんやりした石畳の感触が続く。


 しばらく、辺りに見蕩れながら歩いていると、澄んだ泉の前に辿り着いた。


 ふと、喉の乾きを覚えて、水辺に近寄る。

 水面を覗き込むと、そこには小さな女の子が映っている。


 わたしこの子は誰?


 手を伸ばすと小さな女の子も、こちらに手を伸ばす。


 不思議なことに、いつの間にか、わたしはネグリジェで無く、白いドレスを着た小さな女の子の姿になっているのだった。


「どういうこと?」


 わたしは混乱する。


 遠くで

『姫さま!』

 と呼ぶ声が聞こえる。


 混乱したままボンヤリとわたしは考える。

 姫さま?もしかして、わたしの事だろうか?


 探しているらしき声が近づいてくる。

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