第4話
彼のみた夢を僕は知らない
だからかも知れないが
彼の名前を僕は知らない
昔、青空には多くの戦闘機が
巡演を兼ねて飛び回っていた事だろう
暑い夏を僕は知らない
せいぜい甲子園のあおぞらくらいだろう
名もない犠牲者の名前を僕は知らない
二十世紀を迎えた今にあっても
新しい名前を僕は知らない
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