第20話 衝撃的なお言葉
「あの子、可愛いんやけどなあ」
『何が言いたいんだろう?』
服部が追い討ちをかけるかのように呟いた。何だか服部は、新島村の綻びをみつけようとしているのか、さぐられているようで嫌だった。またタバコ🚬の煙💨が苦手なのもある。新島村は、早くこの場を立ち去りたかった。
「でもちょっとね、また彼女は自分の好みとは違うかな」
新島村は、『五十川は、自分にとっては、アウトオブ眼中👀だ』と言った風に装う。
思わず自分に自問した。『何でやねん!何の格好付けですか?自分が、アウトオブブレイン🧠やわ😭』と。
「そうか。タイプじゃないんか?」
椅子💺に座り見上げるように言った。
「まあいそちゃんに、彼氏いてるからね」
いきなり、そう言った。まるで鋭いナイフ🍴でハート💔を血が噴き出ないようにえぐるかのような切り口だった。
「相手は誰?」
「気になるの?」
「いや、いきなりそんな事言われたから、ちょっと訊いてみただけですよ。服部さんが、言いたげだから」
「ははは。彼氏は、あんたも知っている人やわ」
そう言って笑う。😆
「えっ?誰?小規模多機能の人じゃないの?」
「違うな。小谷祐樹リーダー」
「ああっ」
一瞬、頭の中がバズってしまった。自分のいるユニットリーダーか。よりによってグループホームかあ。役職者に憧れたのかな?リーダーって、一番下の役職なんだが。
「でも上手い事行っていないみたいよ」
「えっ?そうなの?」
そう答えると、「やっぱり関心あるのか」と言った風にニシャリと服部が笑った。
「本人から聞いた訳ではないけどね」
『何だ、そりゃ?』😱
「チャンスがあると思っているの?あの子とじゃ、22、3離れているのよ?端から無理な話しでしょう?」
「えっ?どういう事ですか?まさか。いやいや、そんな事思っていないよ」
そうは言っても、このオバハン、仕事では論理的な思考は無理なのに、入居者の感情を読んだり、観察したりするのは得意なためか、なかなか鋭い。よく新島村の事を見ているなあと感心する。
あわよくばという新島村のゲスな気持ちを見透かされているようで、その指摘は胸に痛かった。
「あんたは、私くらいが丁度いいわ。私、どう?」と言った。
『ど、ど、どう(胴)って?ビール腹やね』
一瞬、過呼吸になり、口をパクパクさせた。
『何アピールなんだ?わからん、おまけに自己推薦だし』
服部は、さりげなく言ったつもりだろうが、どう答えていいのか思わず詰まってしまった。
服部育江は、新島村より3つ歳上で男の子3人の母親🤱だった。
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