ダイヤモンドの降る夜は
針井伽羅藩
グループホーム「にじいろ🌈」
第1話 お前なんか、死んでしまえ!
新島村新(にじまむらあらた)は、時々本当にここで一生勤められるのかな?そんな仕事なのかなと思っていた。
高齢者👴👵に尊厳を持ってと言われるが、認知症の対応には忍耐、努力、忍耐しか無い。また働く側にも余裕が無いと到底無理だとわかった。そしてそれは、給料💰的にも、仕事量的にも、休みの日数も含まれるはずた。
一方的に話す壊れたラジオ📻のような利用者に対して周りが「うるさい!」と怒鳴り出すとカオスになる。
先までにニコやかだった利用者が、突然目が三角△になり豹変してしまうと、何処まで介助をしなければならないのか、つい悩んでしまうのだ。
田所佳子を車椅子👩🦽に乗せ、何とか騙し騙し洗面台に連れて来たけれど、両手を振り回し抵抗し出した。
「おまえなんか、死んでしまえ!」💢
余りの剣幕に、思わず腰が引けてしまう。洗面台の前で顔を歪めて睨みつけて来た。
「田所さん、入れ歯🦷を外して洗浄剤に漬けるだけですから」
新島村新(にいじまむらあらた)は、宥めるように話しかけながら、その隙に自分の手に薄く白いゴム手袋🧤をはめた。
「もうダメだな。🙅♂️いいですか?今から義歯を外しますよ」
「うわあ!何する!お母さん!」
そう叫び声を田所が上げた。
「僕、この利用者さんには、絶対キツネ🦊が付いている思うんですよね」
本日の夜勤者、パートでこの職場の一番の年長者、66歳の島部次郎さんが、新島村の背後に来てそう呟いた。
『キ、キ、ツネ🦊?』
驚いて島部の顔を見た。
「ち、ち、違いますから。アルツハイマーという認知症の病気です」
「いやいや、お祓いが先やで」⛩️
『何でやねん』😭
だから「初任者研修を受けてください」と矢澤摂二施設長から言われているのに、「もう僕は、63歳の高齢だから」という。「夜勤が連続すると、年齢的にしんどいでしょう」と訊ねると、「ワシはまだまだ若いわ!」と怒る😡。
こういうのを「都合年寄り」と言うのではないか?都合が悪い時には、「高齢」👴👵と言い、都合が良ければ「まだまだ若い」という。島部は、噂では受け取る年金が少ないので、出来るだけ長くこの施設で働きたいらしい。
今、時間は18時半。遅番と夜勤者と2人で臥床介助を行う時間だ。島部がゴミ箱🗑️のゴミを一箇所に集めに行った。
「お前なんか、死んでしまえ!」💢
余りの剣幕に、思わず腰が引けてしまった。洗面台の前で顔を歪めて睨みつけて来た。
「田所さん、入れ歯🦷を外して洗浄剤に漬けるだけですから」
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