花びらをひとつ拾う

無色不透明

コンクリートにへばりつき

 河原に1人、制服姿の少女が仁王立ちしていた。だからといってどうということはない。河原には少女はいっぱいいる。犬の散歩をするおじさんもいっぱいいる。だが仁王立ちする少女は1人だったかもしれない。

 少なくともその場には。

 そしてその少女は

 白石咲は今、人生というものについて考えていた。

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