第32話 *冬の瓶詰め*
きれいな透明のガラス瓶
コルクの蓋は ポケットに
まずは冷たい空気を入れましょう
それから 重々しい雲もぽいぽいぽい
雪やこんこも 溶けないうちに
氷柱 霜柱 雪の結晶
北風 木枯らし 深いため息
猫背に 厚着 うつむきがち
言い訳しては潜りこんでしまうお布団も
ついつい根っこが生えちゃう炬燵だって
毛糸で編まれた手袋もマフラーも
触れずにはいられないファーのぽんぽんだって
何もかも全部
瓶詰めにしてしまおう
物思いにふけってしまう翳りのある日々も
センチメンタルな気分になる心も
全部 全部 瓶詰めに
おひさまにかざし
中身がおとなしくしているのを確認したら
溢れて出てきちゃわないように
コルクの蓋で ぎゅうぎゅうに隙間なく
『冬の瓶詰め』のラベルを貼ったら完了
さぁ 冬は閉じ込めた
これでもう 春が来るね
ちいさなかけら*きらきらかけら 恵瑠 @eruneko0629
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ちいさなかけら*きらきらかけらの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます