ロイリ、融合

 魔王ロイリさんと、玉座である邪神ラヴクラホテップが融合した。


 あれだけ大きかった邪神の姿が、平べったい布サイズに圧縮されていく。


 ロイリさんの衣装が、弾け飛んだ。布となった邪神をひっつかんで全身に巻きつける。いわゆる、ハイレグアーマーの姿になった。ファスナーが豊満な胸を隠しきれず、ヘソの下までパックリとずり下がる。ファスナー代わりのギザ歯がうごめいている。乳首が見えてしまいそうなほどに、際どい。


「ああ。本気で戦うなんて、久しぶり」


 アーマーがクネクネ動くたびに、ロイリさんが甘いため息を漏らす。


「ひっぐ!」

「んあああ!」


 男性陣が、わずかに反応した。見ただけで、気をやってしまったらしい。これが、ロイリさんの力か。


「どうしたんです、クク様?」

「お腹の奥が、ジンジンしてぇ」


 おヘソの下辺りを手で抑えながら、ククちゃんはケイレンをしていた。女の子のように、声が裏返る。


「ぜ、前立腺マッサージだぁ、これえ」


 ボクも、思わず腰が引けてしてしまう。


「ダイキ、わたし以外で反応しちゃった?」


 チサちゃんが、責めるような視線を向けてきた。


「う、うん。ごめん」

「仕方ない。ママはガチガチのサキュバス。人を絶頂に導くのが仕事」


 しかし、同業者としてライバル心を燃やしているらしい。


「もう、浮気しちゃダーメ」


 トシコさんが、ネウロータくんに注意をする。


「ご、ごめんなさい」


 脳では果てているのだが、ネウロータくんはもうなにも出せない様子だ。いわゆる、ドライオーガズムの状態といえよう。


「あんたは、なんともないのね」


 マミちゃんのいうとおり、ケイスさんは賢者モードだ。


「嗜虐的な刺激ではないので」


 ああ、なんかケイスさんらしい。


「いい主従関係ですね。痛いほうがお好きなの?」


 ロイリさんが、手のひらをふわっと上げた。なにかを握りつぶすかのように、グンと手を握る。


「いいいいぐうう!」


 ケイスさんの身体が、えびぞりに。


「ロイリさん、何を」

「タマタマを、片方だけ力を入れてあげました」


 そんなことまで、できるのか!


「邪神と融合したわたしは、相手の力を自在にコントロールできるのです。それは、あなたとて例外ではない! 前立腺を刺激しているの、気持ちいいでしょ?」

「あ、あはい」


 情けない声を上げて、ボクは肯定する。


「ダイキ、がんばって」

「う、うんっ」


 チサちゃんの言葉にも、返事をするのがやっとだ。声にため息が交じる。


「ウフフ。チサ、あなたのパートナーもトリコにしちゃいましょうか?」

「ダイキは、渡さない」


 ステッキがチサちゃんのパワーを吸って、さらに膨れ上がった。


「あ、あれ?」


 ずっと刺激され続けてきた前立腺が、なんともない!

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