マミちゃんの加勢
「ねえチサちゃん、キュラちゃんの身体、大きくなってない?」
「ヤバい。この世界の魔力を吸収して、要塞化している!」
地震で、海が荒れている。
「ネウロータくん、今のうちに!」
トシコさんが、弓を構えた。
「でも」
「私だって、キュラちゃんを傷つけたくないわ! なんとかするから!」
今の言葉を聞いて、キュラちゃんがさらに激しく唸る。
「お前なんかに、なんとかできるわけないもん!」
イソギンチャクが、ネウロータくんを吸い取ろうとしていた。
「取り込もうとしている?」
「身体に入れて、ネウロータの魔力を奪うつもり」
「危険だ。助けないと!」
ボクは、ネウロータくんを救出に向かう。
「邪魔しないでほしいもん!」
イソギンチャクの触手が、ボクたちに絡みつこうとした。
触手のことごとくを、トシコさんの矢が潰していく。
「援護します、ダイキさん!」
「こざかしいもん!」
触手の照準が、トシコさんへと変わった。
いけない。
いくらトシコさんの矢が四方を攻撃するといっても、あそこまで囲まれたら。
「サンダーストーム!」
ボクは槍を天にかざして、雷の渦を作り出す。
雷撃は触手を焼き払った。
しかし、今度はボクたちの周りを触手が取り囲む。
「てややああああああああ!」
かと思えば、触手は何者かの手によって斬り捨てられた。
「助けに来たぞ、ダイキ!」
「エィハス!?」
なんと、ボクを助けてくれたのは、エィハスである。
「てええええ!」
無数のナイフが、ネウロータくんを守るように周りを旋回した。ネウロータくんを囲んでいた触手が晴れる。
ナイフを投げたのはオンコ、魔法で竜巻を作っているのは、ゼーゼマンとベルガだった。
「みんな無事でよかった。もっと苦戦しているかと思ったよ」
あの配下モンスターは、かなり手強いと思っていたから。
「一体は倒したんだ。しかし、同種に囲まれてな。そこに、この方が現れた」
パーティメンバーに紹介されたのは、ボクたちのよく知っているタンクトップとショートパンツの魔王だ。
「マミちゃん!」
「話は全部、パパから聞かせてもらったわ!」
マミちゃんが、ケイスさんに乗って現れた。
「どうしてマミちゃん?」
「特例よ! チサの世界が崩壊しそうって聞かされて、召還されたの!」
亜神の力によって、マミちゃんがここへ喚ばれたらしい。
やはり、ボクたちだけで解決しようというのは甘かったか。
「調査の結果、重大なエラーが発生したんですって! 解決して欲しいって、パパからの依頼なの!」
それほどまでに、キュラちゃんの登場は異常な現象だったのだ。
よその魔王を引っ張り出すくらい。
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