第37話 スキル表
「ダメじゃない!」と、マミちゃんが起き上がった。
「スキルはちゃんと振らなきゃ!」
チサちゃんは「まだ早い」と、反論する。
「ダイキは戦闘要員と考えてなかった」
「じゃあ今から、玉座ダイキのスキルをどう振り分けるか決めちゃいましょ!」
「今は確かに、いい機会。ダイキ、やってみる?」
ボクは、首をかしげた。
「そもそもさ、スキルって?」
マミちゃんが天を仰いだ。「あー、そこからかー」
ケイスさんが、ボクの隣に座る。
「スキルというのは、ポイントを消費して会得する特殊能力です。ポイントは、レベルに応じてもらえます」
「ポイントを振り分ける方法は?」
「冒険者カードを使います。表側を向けて、テーブルに置いてください」
ケイスさんの言うとおり、ボクはカードを置く。
「カードの下に、銀色のラインが入っているでしょ? そこを指でスライドさせるの」
「こうかな?」
スライドすると、RPGのステータス画面のような表が出てきた。
【スキル表】と書いている。
ボクが触れるポイントは四〇ある。
ただ、チサちゃんが後回しに従った理由も分かった。
とてつもなく項目が多いのである。
戦闘用のスキルも、生産職に使えそうなスキルも、魅力的だ。
選ぶだけで一日使いそう。
「自分でキャラ作成できるゲームは、キャラ作りだけで数日費やす」
と聞く。
その気持ちが分かった。
ましてや、ゲームではなく自分自身にスキルを振るのだ。
慎重にもなるよね。
参考までに、チサちゃんのスキルを見せてもらう。
【威厳:魔王専用のユニークスキル。弱いモンスターが寄りつかない】
だから、森に入っても安心だったのか。
ボクの表にも、ユニークスキルが。さすが玉座なんて謎職業だ。
【闇の恵み:魔王・玉座共通の専用ユニークスキル。取得できる経験値三〇%増し】
ポイントを振っていないのに、このスキルは最初から習得していた。
ボクの成長が異様に早かったのは、これが原因かも。
中でも、ちょっと気になるスキルはあった。
【黒龍拳:玉座専用のユニークスキル。武芸の達人である『黒龍』を体内に宿す。習得に必要なポイント:二〇。強化に必要なポイント:一】
「このスキル、欲しい?」
ボクの肩からスキル表を覗き込み、チサちゃんが尋ねてきた。
「トレーニングせずとも武術を習得できる。一気に強くなりたいならオススメ」
訓練をすっ飛ばせるのはうれしい。
玉座が戦うのかどうか謎だけど。
他の戦闘スキルは、一ポイントだけ消費する。
その代わり、剣や槍、体術を用いた技が大半だ。
つまり、元々戦闘ができる必要性が高い。
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