第93話 お宝はなんだ!

 疲れてへたってしまった姉妹とポンコツにヒールを掛ける、物理的に怪我はあんまりしてないけど、精神がお疲れなので気休めに。


「ミウミウ」にぃにーやったの、どらごんたおしたすごい


「ピピァ」ねぇねとぴぃとぽんこつがえらい、やったぜ


 俺も入れて欲しかった……


「はうはうー疲れましたー……」


 ポンコツの癖に良くやったよ、本当


 でも本当に皆が一時間も魔法を使ってくれてたから出来た事なんだ、凄く疲れよね、ごめんね俺一番楽な仕事してた、だから皆一旦お休みしよう、起きたら良いことあるかもよ?


「ミィ?」いいことなあに?


「ピー」きんぎんざいほうー


「あー地球のお菓子食べ放題?」


 何か違う。


 ほら、ドラゴン収納したらお宝出てきたんだよ、アドリアナもたまには役に立つよねー


(たまに……たまに……以外と否定できない)


「ミッ!」おたからっ


「ピッ」ほうせきっ


「お菓子!」


 ポンコツは放っておいて、開ける前に皆ちょっとフラフラするでしょ?魔力は馬鹿みたいにあるけど、精神力は休まないと、お宝楽しみだけど元気になってから皆で開けよう!


「ンミァ?」にぃにだっこして?


 します!抱っこしてペロペロ毛繕い、気持ち良く寝れる様に優しくします。ピョンと抱きついてる前足の中にぴーちゃんも入って来る、ついでにペロペロ、強くするとコロコロするから、かなり繊細に何時も心がけてます!


「ピー」くるしゅうないー


 左様ですかー?


「……仲間外れぇ!動物になりたい!」


 まぁ、こっち来いよ、皆で固まって寝ようぜ、普段は許さないが抱き抱えて寝て良いぞ?


「ふぁー!きゅーちゃん大好き!」


(う、羨ましい……)


 ボス部屋の真ん中でお宝目の前にして見る夢は何が見れるだろう、毛繕いしながらスヤスヤ寝た姉妹と、どこぞのメガネも真っ青な直ぐ寝れるポンコツ、俺もクァーっとアクビして……お休みー……すやぁ


(なんだよー…ここだけ羨ましい空間…)




 ぐーすかと九時間も寝てしまった、それだけ精神が消耗していたんだろう、だが起きれば目の前に宝箱……皆でそわそわしながら食事して、そろそろ開けますか?


「ミッミッ」あけるあける


「ピー」ざいほうー


「お菓子ー!」 後でやるから……


 まぁ大きいから、ポンコツ開けたもれー。


「私が!いいんですかっドキドキします!」


 そっと宝箱を開けるポンコツ、ギィーという音がわくわくさせるな!


「……ほえ?何でしょうコレ……」


 何々!高くて見えないのー!


 宝箱から出した物は青いスカーフ?


 かっ、鑑定!!


スカーフ/着ける部位を選ばない、どこに付けても効果がある/魔法効果/飛行/説明/身に付けていると空を飛べる、装備をした人に触れているとその仲間も飛べる)



 ひっ!飛行!!ロマン装備やんけー!!


「ミ?」そらとぶ?


「ピー」ざいほう……


「ほあーきゅーちゃんが、空を飛べる!カッコいい!!」


 ひゃっほーい!!ええ宝やんけ!やったな!アドリアナ!誉めて遣わす!


(あたしが入れた訳じゃないけど、まあ……ありがと?)


 それそれ……あ……姉妹欲しいですか?


「ンミ?」いらないの?


「ピ」かねじゃないからいらない


 ほおわー!ありがとう!ポンコツ!それ巻いてー俺に巻いてー!


「どこに巻きます?」


 え……と、やっぱり首?


「はいーでも長いですね、人間用なんですかね、どうしましょう?切ります?」


 切るな!効果が無くなったら泣くわ!


(それ、サイズ誰にでも合うから、大丈夫)


 流石やんー!


「じゃあ首に巻きますー。」


 クルッと巻くいて、緩めに縛る、とピタリと吸い付く感覚、おおーっ


「ミッ!」にぃにかっこいい!


「ピー」いがいとにあう


「カッコ可愛いに変身ですね!」


 そ、そうですかー?やだーイソイソ鏡を出して見てみる。


 オレンジの毛に青いスカーフ……これ似合う?赤のほうが似合わない?


「ンミー」にぃにのめと、おなじいろ!


「ピィ」それそれ


「普通に似合うと思いますー赤は……何かちょっと違うかなーなんて?」


 男子と女子の違いが激しいぜ……


 空!飛んでみよう!どうやんの!


(え?魔道具なんだから、魔力流せばいいじゃん?)


 え?


「あ……そういえば流し方を知らないんでしたっけ?」


 あおぉーーーーん!!


「わっ私教えます!だから泣かないで!」


 ポンコツの説明で分かるの?


「もちろん!魔力をこう、ながーす!感じですよ!流すんです!」


(すまん、他に聞いて……)


 帰るまでお預け……怖いけど副店長なら分かるだろうか?


(一般教養があれば出来るからいいんじゃない?インテリじゃんあの女)


 そ、そうかー……モチベが下がった。


「ンミンミ」げんきだすの!にぃに!


「ピー」ぴぃもならう


「ご、ごめんなさい……」



(宝箱も閉まっときなよ、それも売れるから、結構いい線いくみたいよ?)


「ピッー!」しまう!!


 金の亡者か、すぐに、ぴーちゃんが閉まった、ぴーちゃんの将来像がブレブレ!



 無事ドラゴンもやっつけたし、宝も手に入れた!後の問題は元勇者かー


 まぁそれはそれで、帰ろうか?


「ピーィ」じけいれつ、かんがえろ


 え、と、ドレクライ経ちました?


 行きはよいよいー帰りはどうするし?


(お帰りは普通にお願いしますーあれ一方通行なんで……)


 えーと……ここから帰るのにどれくらい?


(そう言うことは分かんない、でも長いのは分かるだろう!)


 取り敢えず長旅で帰る事になりそうだ。


 ダンジョンの奥に魔方陣、脱出用ですね、皆忘れ物ない?着替えた?歯磨いた?ティッシュもった?ハンカチは?


(かーちゃんか!!)

 

 にーちゃんです!はい、忘れ物なし!皆で入りましょうー!


「ミィー」かえるのーどこにー


「ピー」いったん、やど


「あ、長期だと思ってたので女将さんには申し訳ないですねー」


 繁盛してるだろ、ここで短期のが珍しいと思うね。


「あっ、そっかーまずは宿で、ギルドで換金!そしておやつ!」


 しつこい子だねっ!いい餌与えるとこうだよ!後悔したわ!


「殺生なー私ペットですー仲間ですー!」


 ……あ、そうだね、不自然でもないか、しゃーねーな!飯は自分の金で払えよ。


「うっうっきゅーちゃん達と同じでいい」


 人間に動物の餌食べさせるペットとか可愛くなくなるだろー!我慢しなさい!


「はいー!」


 皆で魔方陣に乗るとぽわーと光ってすぐに、ぴーちゃんダンジョンの入り口付近に着いた。


 入り口は相変わらず人の列、もう並びたくないねー。


「ピーィ」ひとがおおいのは、いや


「ンミー?」ねてればいいのー


「ピー!」ねことはちがうーでもねぇねとならいっしょにねる!


「ミッミッ」いっしょいっしょ


 姉妹がきゃいきゃい女子トーク!ほら、宿に帰るよー?もう真っ暗じゃん、時間の感覚狂うな、これじゃギルドは明日ですね。


「ピー」せっしょうなー


 閉まったお金は逃げません!帰ります!


 と、言うわけで宿に付いてホッとする、やっぱダンジョンは慣れないなー?


「おや、随分遅かったね?でも無事みたいでよかったよ。」


 えへへ媚び売っとくのー足にスリスリ


「ふふ、本当に可愛いね……っと!そうだ、あんた達に手紙預かってるんだよ、男の子三人組でね?なんか変な輩かい?」


 男三人組?元勇者かも、預かっといてポンコツー。


「はーい、預かりますー!」


「あんたでいいの?ワンコじゃなくて?」


 ポンコツの信用がなかった。


「へ、平気ですぅ……」


「ならいいけど、大事ならちゃんと保管しなよ?」


 部屋に着いた、ベッドにジャーンプ!ぽよんぽよんーと揺れるうーリラックスぅ!


「ミッ!」みぃも!ぴぃいくのー!


「ピ!?」えっ!?


 みーちゃんがぴーちゃん咥えて猫ならでわの跳躍でジャンプ!体重は軽いから比較的ぽよんーが小さいがみーちゃんがきゃっきゃっしてるのでほっこりー。


 ぴーちゃんはまるでボールの様だ……軽すぎるのもアレだよねー?


「ピィー!」とまらないー!


 はっとジャンプして前足キャッチ!ベッドにまたぽよーんと落下、みーちゃん益々嬉しそうなのでぴーちゃん持ったままピョンピョン!


「ピ……」き、きもちわるい


 ピタリとお互い止まる、は、吐かないで?


「ピー」っぷ……ふぅー


 みーちゃんとお互い反省ーすいません!


「ピィ」どげざしよ?


 みーちゃんと一緒に土下寝、これで勘弁してつかーさい!


「ピ」ゆるす、ねるー


 あ、はい、寝てくださいー……


 みーちゃんがソロソロとぴぃーちゃんに近づいて抱っこ、俺の真似っこ上手!


「ピ」ねぇね、ひきょうなり


「ンミー」ゆるしてほしいのー




「私は置いてけぼりですか……」

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