第82話 ぴーちゃんの上って?

「大分教育も上手く行ったと思いますが、どうでしょう?」


 どうって、勇者殺すしか言ってねーよ!


「何か教育方針が間違ってるかなって?」


「そうですか?勇者を殺すのでしょう?」


 それ洗脳!教育ってその事じゃない!


「えーと、洗脳は困るかな?一般的なやる気みたいな、積極性とか……」


「あら、それなら最初にそう言ってくれればよかったのに、てっきり。」


 なーにがてっきりだよ!確信犯だよ!


「……も、黙秘しますぅ」


 通訳は大人しく通訳しろ!ベシベシ!


「あうあう、痛いですう、店長みたいにお皿狙わないで!」


「まぁ堕落した子の教育をすればよろしいのですね?祭り上げますか?」


 下げて上げて、精神ボロボロにする気!?


「冗談です、全くウケませんね、センスないのかしら?」


 センスじゃねーよっ性格っ!


「黙秘したいー!」



 取り敢えずぴーちゃんの精神がこれ以上イカレないように注意せねば……


 で、ポンコツにも話あったんだ、お前には敵を動けなくする魔法を使ってほしいねん。


「動けなくなる魔法?……何があったかな?ちょっと探してみますー」


 おう、大事だからな、よー探せ。


「色々作戦が捗ってるようで、勇者に先を越されたらイライラしてしまいます。」



 が、頑張んないとねっ!!


「でっですね!!」




「動きを止める、時止めのストップとかありますけど、これお父様に禁止されてるんですよね、神でも迂闊に使うなって。」


 内緒ならいいんだよ。


「そういう完全犯罪?みたいなのはお父様には通じませんから!」


 んだよ、使えねーおとうたまだな!


(お父様をディスるんじゃねーよ!頂点だぞ!)


 何が神の頂点だよ、だから何って話、何?神様ってそんな偉いの?何で偉いの?原稿用紙百枚にまとめて書いてくれよ?


(なっ、何でって……神様だから偉いの!)


 わかんねー奴だな、理論だよ、何をもって偉いのって聞いてんのー


(だって!広大な宇宙から色々な世界を作って管理したり色々したり、ほら!偉いじゃん?)


 世界を作れれば偉いの?作んなきゃ何の意味もないじゃん?誰が作ってくれって頼んだよ、そっちが勝手に作ってんだろ?何様?押し付けがましいにも程があるね!


(ぐぅ!どう返せばいいのぉ!)


「落ち着いて下さいよーきゅーちゃん今荒んでるんですよー。」


 うっせー!何の案も出してないお前が言うんじゃねーよ!皿ベシっ!!


「はぁんー!割れるっ!!」


(も、もう動けなくする魔法でしょ?なんだっけー……)


 どっちも使えないな!


「あう!そんなきゅーちゃんをギュッとしちゃいます!」


 させぬ!ポンコツなんかに捕まるかっ!


(何遊んでんだよー)








「では常識から教えましょう、動物の常識を、そうですね、あなたにとって誰が一番ですか?頂点ですよ?」


「ピィ」ねぇねー


「猫のカードですか、違うでしょう?一番はワンコさんです。」


「ピー!」ねぇねなの!!


「カードの上に乗るなんて常識のない子ですね?お仕置きしますよ?」


「ピ!?」おしおき!?


「よろしいです、何故ワンコさんが一番じゃないのか理由を説明……雑用連れてきます」


「ピッ……」うう……こわい




「はうー私何も壊してませんー!」


「そういう事じゃありません、通訳です」


「あ、そうなんですか……」


「ピー」こわい、やだやだ


「こわいやだやだ、ですー」


「ピッ!?」いうな!ポンコツ!


「ええー?通訳なのに……」


「それで結構、何でも通して下さい。」


「何できゅーちゃんが一番じゃないのか?ですか?お兄ちゃんですよー?」


「ピッピ!」そんなのにんげんのせかいなの、どうぶつはやきにくていしょく!


「人間とは違って焼き肉定食?」


「弱肉強食、ですね、ですがワンコさんの方がお強いのでは?」


「ピッ!ピィ」おにぃはさぼる、ねぇねがいつもやっつける!


「きゅーちゃんがさぼる?そんな事無いですよ?みーちゃんが好戦的なだけですよ?」


「あら、猫さんってそんな子だったんですね」


「はいーきゅーちゃんが好きで堪らないんですー、ですのできゅーちゃんをお守りしたくて暴走するんですー。」


「成る程、では少し話は違って来ますね、本来はワンコさんの方がお強いのに、猫さんがいつも前に出てしまうので、まるでワンコさんがサボって居る様に見えてる訳ですね?」


「ピッ!」ううっひていはしない


「否定はしないと。」


「では何故頑なに猫さんが一番なんでしょう」


「ピィー!」ねぇねがぴぃをひろってくれたから!いきてるのはねぇねのおかげ!


「と、言っています」


「長いとはしょるんですね、まぁいいです、ですがそれでは弱肉強食の世界の話と変わりませんか?ただの恩人でしょう。」


「ピ、ピィ」そうともいう、でもねぇねがいちばんがいい


「成る程ー焼き肉定食とは関係なくてただ単にみーちゃんが大好きなんですね!」


「ハッ何て無能なヒヨコでしょう、賢いと思ったらただの子供の我が儘じゃないですか。」


「ピー!」がーん!


「がーん!です」


「つまらないヒヨコですね、賢いだけのただの子供ですよ、あなた。」


「ピッィー」そんなことない!ぴぃてんさい!


「ですぅぴーちゃんは天才です!」


「貴方の意見はいいの、天才と言うならば弱肉強食の意味も分かっているのでしょう、ボスが本来誰だかわかってるんでしょう?」


「ピー」……わかってる、すききらいできめてた、それはいけない?


「え!きゅーちゃん嫌いなんですかっ!私は許しませんよっ!!」


「……雑用兼通訳のみで結構。」


「あいまむー!」


「ピッ!ピー」きらいじゃない、すき、でもねぇねのがすきなだけ


「頑なにみーちゃんが好きなんですー」


「……宜しいてす、ちゃんと理解してますね、ではいいです。」


「ピ!?」いいの!?


「いいの!?っていいんですか……」


「私は常識を試しただけです。」


「な、成る程ー……」


「では、何故戦闘はしないんでしょう、あなたさっき、ワンコさんがサボっていると言ってましたね、貴方は違うとでも?」


「ピィー」だってせいちょうしないし、ちいさいままだし、ふべんだし


「……黙秘します!」


「ては別の理由をどうぞ」


「ピーィ」ひゃくねんのさは、おいつけない


「黙秘します!」


「…………ではもっと別の理由を」


「ピ」ない


「……ない、です。」


「やる気あります?貴方は一人になった時の事など考えて居ないのですか?」


「ピッー」ひとりはならない、てんいがある


「もっ黙秘しますぅ」


「……戦闘ではこれでいいんですか?ワンコさんは納得してます?」


「そこまで急かせてないですね。」


「そうなんですか、ならいいです。」








 全部聞こえてるんですけど!俺みーちゃんより下だったなりぃ!泣きたい!


(ど、どんまい!好きの順番だけだって!みーちゃんが大好きとか嫉妬モンなんですけど?)


 あーすいません?


(イラッ)

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