第81話 思案中

 ヨーンと遊んで満足してごはん食べて寝たらスッキリした。今日はどう遊ぼうかな?


(目的変わってる!ドラゴンー!)


 もう!ドラゴン、ドラゴンって!ドラゴン村の住人ですかっ!


(もうわかんない……)


 やーねー焦らせないでよ、またモヤモヤしちゃうでしょ!まだ勇者も大分先なんでしょ?攻略はー。


(そ、そうだけど……勇者だから本気になったら成長早いし……)


 あいつらが本気になるもんかね?目的ってドラゴンじゃないんじゃないの?


(え?それ以外ってなによ?)


 持ってたじゃん、神様も眩ます魔道具!それ目的の可能性もあるでしょー。


(おっと!そうだった……油断ならぬ!)


 どーするよ、今度は神殺しの魔道具だったら、お前も消滅よ?


(そんなの自然とは言えね、出ない仕組みに位してるわ!)


 アドリアナが死んでも他が居るもの?


(ネタ分かんないけど!有りそうで怖い!)


 まぁ暫く考えるよりはヒントを探そう、だから勇者見張ってなー


(まぁ何時でも見れるけど、魔道具が厄介で時々見失う……)


 ほらねー厄介なのはそっちの方よ。


(確かにー!むむっ!!気合い!)


 へいへいーがんばー?



 何かヒントが転がってないか庭やら店やらウロウロするけど、こんな狭い範囲にヒントがあるんかいな?


「どーしたの?何かウロウロしちゃって?」


 店長は店長の仕事してくださいー。


「む、無視されたっー!」


「お客様が居るのに大声とは、なって居ませんね、教育が必要ですか?」


「黙りますっ」


 それでこそマドロンさんよ。


 店内を人が行き交うのを見つめる、どっかの探偵小僧みたいにピーンと来ないかな?


 じっと座ってるとお客さんがナデナデしてくる、開放時間じゃないぞ!でも俺の可愛さが罪だから許す。


「った!」 マドロンがしくったか?


「んもー紙で手切れるとか意味分かんない。」


 せやな、紙ごときが人間様に傷付けるなんて生意気な紙よのぅ。


 …………ふむ?切る、切る。


 ピーンとは来ないが何か引っ掛かる、ギロチン的な魔法、で、切る、謎が深い。


「店長は雑過ぎなんですよー、もっと丁寧に扱って下さい、文字も下手だし……」


「……最後のは余計じゃない?」


 紙で手を切るのは何でだろう、紙の性質の問題か?あるあるだけど、詳しくは知らない。


 紙のだけじゃないよな、林の探検なんかして、いつの間にかそこらじゅう傷だらけになってたなんてガキのあるある話だ、それがもっと大きくて切れ味抜群ならドラゴンの首切りも出来るだろうか?


 そう、例えばカマイタチとか?そんなん滅多にっつーかホントに有るのかさえ見たことがないが、大きくて、鋭い、ギロチンみたいなカマイタチ……とか、どうだろう?


 そんなん魔法で作れるのかいな?庭に戻って試してみよう。


 トテトテ歩いてると結界ネズミを転がしてたみーちゃんが着いてくる、どうしたの?お遊び飽きた?


「ンミ?」なにかするの?きょうみあるのー


 おおー鋭い!なんて賢い子でしょう!


 そうだよ、ドラゴンの首を切る魔法を考えているんだよ?ちょっと試そうかなって。


「ミッ!」すごいの、きょうみあるの!


 え?そう?でも危ないから結果して少し離れててね?まだ使ったことない魔法だから。


「ミッミッ」にぃにはぜったいなのー


 何かこう…支配してんの?って思います


 


 木屋の後ろに着くと、ちゃんと雑草が取り除かれて綺麗になっていた、やるな!雑用!


 そうだなーカマイタチってのは鋭い空気の圧縮の様なもん?魔法はイメージってよく言うよねー。


 みーちゃんからある程度距離をおいて考える、空気の圧縮……例えば目に見えるのは水が物を水量と圧で切る様な場面だ、まずは只のカマイタチ、シュシュって奴?



 裏庭にある木に向かって、イメージ、鋭い空気で切り裂く………


 シュシュッて感じ?よく分かんないけど?


 名前は普通にカマイタチでいいよねー


 おらにポーズでふんむ!なんてやる必要は無いのだが、ポーズは何か必要だよね?


「ウーッキャンッ!」かまいたちー!


 しーん……



………………雑草がボウボウだったらわかったのに、これだからポンコツは!


 と、人のせいにして、目標を切り替える、あの大木でいいでしょう、やりますよ。


「ウーッキャンッ!」かまいたちー!


 大木にシュッと鋭い殺傷が!何か出来た!一回目の空振りの恥ずかしさは忘れよう。


「ミィ?」いまなにしたの?にぃに


 魔法だよ、こう風を圧縮して鋭くしてね?


「ンミァ」みぃわかんない、ごめんなさいー


 な!何で謝るんだい!こっこれは俺の特別な魔法だからみーちゃんが使えないのもしょうがないのさ!


「ンミ!?」にぃにのとくべつ?すごいの!


 ははは、そうさ、にぃには特別な犬なんだ!だから気にしないでね??


「ンミンミ」わかったのー


 ホッ、猫に科学が分かるわけ無いだろ!なに考えてんだ!俺の馬鹿っ!


 取り敢えずこれを大きくてもっと鋭く!そう!ドラゴンのギロチン魔法の特訓だ!


「ミーミ?」みぃのやることってなにー?


 みーちゃんが?ほむ、そう言えば連携の事考えないとイカン、ギロチンが飛んでるドラゴンに正確に当たるとも思えん……そうだな


 みーちゃんは、重力魔法をコレッて目標にちゃと出来るように練習して?


「ンミッ!」わかったの!がんばるの!


 テテテテと走っていく、ポンコツには、そうだなー重力だけじゃ無理だったなんて可能性を考えて、まぁ少し卑怯だが、ちっとは神の力で無理矢理固定出きるか聞いてみよう。


 お店にポンコツを探しに行く途中、みーちゃんがネズミボールに集中的重量魔法をしてた、結界ボールが楕円になってる、結構な力ですな!ネズミが何か叫んでるけど気にしない。



 おうーポンコツー!出てこいや!


「きゅーちゃん?ちょ、待って、仕事が終わってないの!怒られちゃうから待って!」


 副店長の怒りの連鎖が来るのが嫌なので庭に帰って魔法の練習しますー。


 みーちゃんの練習は潰すお仕事なのでそう目立たないが、流石にカマイタチなんてーもんは目立つから小屋の裏側が練習場所だ。


 最初は精密さ、段々とそれを大きくてしていくが結構難しいな?イメージ!ギロチン!これ大切、横にばっか練習してても意味ないかも、縦だよねー。


 解放時間前には終わらせておく、疲れたおー人間に癒して貰おう。


「ンミーッ」にぃにー、ぼーるがにげるのっ


 そんな普通の事言われても、何て言いません、出てこいや!ボール風情がっ!!


 フラフラと転がって来る、少し結界歪んでる?流石みーちゃん!!


 んーむ!ともっともっと!強固に!結界!と念じると歪んでいた結界ボールがポンッと丸くなる、よしよし成功。


((だ、旦那ーおいら死んじゃう!潰されて死んじゃう!!))


 何いってんだ、それも運命だよネズミ君?


((えー!恋する前に死にたくないっす!旦那ぁーお願いします!))


 贅沢なネズミだな、こんな所で転がっててどうやったら恋なんか出来るんだよ?


((運命は向こうからやってくるもんっす!))


 そんなんだから振られるんだろ。


((白馬のネズミはきっと居るっす!))


 雌じゃねーし、白馬とはこれいかに。


「ンミィ」ずっとわけわかんないこといってるのー


 しょうがないよ、頭がポンコツと同じなんだ、もう治せるもんじゃないんだ…。


「ミィー」なら、しょうがないの


 そう、しょうがないのさ。


((旦那ー!ポンコツが何か分かりませんが違うと思うんっす!))


 すっすっ!五月蝿いな!酢に浸けてピクルスにしてやんぞ!!


((すっー…すいません旦那お許しをぉ!))


 今日は普通のヨーン飯だ、罰じゃ!


((そっそんな!ドライフルーツがぁー!))



 解放時間はネズミは隠す、お客には絶対うけないから、きゃーって逃げられる。


 今日は疲れたから人間に甘える、もっと撫でてーマッサージしてー!


「何か今日のきゅーちゃん積極的!ここがええのんか?ええのんかー?」


 ううっー!ええのん!


「ピ」……ゆうしゃはころすゆうしゃはころすゆう…………


 家のヒヨコが洗脳されてますぅ……

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