第79話 連携とヒヨコの献上と

「きゅーちゃん、どうですか?お味は」


 何でまた試食しないといけないの?


「そう不満顔しないでよー?みーちゃんとぴーちゃんは喜んでるよ?」


「ピ」よろこんでない


「ンミ」まぁまぁなの


「今回は駄目だったら、美味しいって評判のお店の力借りようかなって思ってるの」


 ほうほう、コラボね、いいんじゃない?、


「その前にこれは?駄目?」


 地球産に慣れるとどうもどれも今一、これが他にやれない理由やんだよなー。


カキカキ「悪くないけど良くもない」


「それ普通って事だよね……」コクコク


「ヨーン達は?反応どう?」


((おいしいっす!))


 あいつら何でも良さそうなんだけど?


「納得してない顔ですね!分かってきてる!通じあってるぅ!」


 うるせー!ビンタ!


「ひゃうん……飼い主には優しくしてよーお金あげてるでしょ!貢いでる!」


 はっ終わった話よ、過去はお帰りください。


「ンミンミ!」にぃにはみぃの!ぺちぺち


「あーんみーちゃんから責められてるけど可愛いから許す!」


「ピッ!」ツツツツツツ!嘴攻撃


「あだだだだっ!!本気やんけ!ヒヨコ!」


「ピー」あたりまえ、つねにぜんりょく


「はぁー何でぴーちゃんだけこんな性格になっちゃったの?」


 し、知りませんよ!やだなー!



「はあんー失敗ぽいね、やっぱりプロ!かな」


 これはプロじゃないの?、なに食べさせてんだよ!ベシベシ!


「あだだだ!嘴とピンポイント!痛いぃ」


「何を遊んでるんですか?仕事してください、駄目だったんでしょう?」


「え、何か分かってました?って感じ?」


「私達は食のプロではありませんからね。」


「じ、じゃあそれ先に言ってよー!」


「考えられるか試しました。」


「試されてる!試練じゃん!」


 いつもだろ……


「ンミー」もう、いい?ころころしてくる


「ピ」ぴぃもけっかいこわす


 目的違うでしょ!壊さないで!


「ピィ」じつりょく、ためすちゃんす


 ネズミは雑食ですよ?食べられますよ?


「ピ!」がーん!



 ダンジョンから日常に戻った訳だが、うーん……飼い主生活に文句はない、ないのだが、やっぱりもう少しお金貯めた方が良いような気がするんだよなー……


「え?ダンジョン行くの?きゅーちゃん」


「む!通じ会う二人……嫉妬!」


「あら、では今度は上級ですかね?」


「えー!いかせるの!?反対!」


「店長の意見は聞いてません。」


「飼い主ぃー!」


 てかダンジョン以外に何か儲かるのってないのかな?


「ダンジョン以外でお金稼ぐのってあるんですかー?」


「……あるには有りますが、雑用さんには無理でしょうね。」


「はうんー」


「って動物だけでって事?うーん、大道芸とか!?」


 見世物になりたい訳じゃねーぞ!


「見世物は嫌だって。」


「何で通じ会うの!許せん!雑用!」


「ええええっ!」


「お静かに、お店に聞こえます。」


「「はいー」」


「動物だけで、稼ぐ、見世物が嫌でしたらやはりダンジョンしかないのでは?」


「だよね……あっ!そう言えば、お隣の勇者がいま上級に行ってるとか聞いたよ?」



 なぬ?あの犯罪三人組が?


(何か尻尾でも掴めないかな?)


 ダンジョンで?普通に攻略してんちゃうの?


(そーだよねーちょっと見てくるー)


 あいつらが居るなら、完全犯罪出来るかもな?ダンジョンだぜ?


「完全犯罪!興味あります!」


「ちょ何をいきなり物騒な!雑用のくせにー出来るわけない!」


「えー?私はやりませんよ?」


「誰が、どういう事?」


「店長、店員が呼んでます、さっさと行きなさい。」


「うっ!聞きたいー!でも逆らえない……」




「……もしかして勇者に会ったら殺るおつもりですか?」


 そ、そんなことはいってな、い。


「私はチャンスは逃がすな、と思います」


 まさかの賛成派……


「いい加減、犯罪者は抹消すべきでしょう?間違ってます?」


 合ってる合ってる!奇遇!


「えー……きゅーちゃん……」


 だーってろ!みーちゃんの命よ!


「!そ、そうでした!殺りましょう!」


「……まぁどちらでも良いですよ、ダンジョンでなくともいいんですから。」


 何か怖い計画立ててる?


「しかし、今行ってるのなら勇者の力でとっくにクリアしてるかもしれませんね。確かそこまでは一月程掛かりますから、やはり町中で暗殺した方が……」


 もはや暗殺決定だよ!何よー!


「一月ですか、すれ違う可能性もある?」


「あら、そうですね、道端で絶える勇者、それもいいかもしれません。」


 ダークな、話だよー!こあいー!



(大丈夫、あいつらまだ攻略してない!)


 何で暗殺に乗り気なの神様ー。


(神は世界の道を正す為に居るのよ…)


 それらしい事言うなよ、干渉しまくりじゃねーか!何処まで道を迷ってんの!?


(しょーがないでしょーが!!何のためのみーちゃんファンクラブ会長!)


 会長ー会員何人ですか?


(……一人でも運営は出来る!)


「ど、どうしよう、みーちゃんも好きだけどきゅーちゃんのが好きだけど先輩が作ったなら後輩としては入るべきなんじゃあ!?」


(お前は入るな、何か嫌な予感するし?)


「酷いですよぅー何も起こりません!」


(お前のステータス見ろよ!あたしの意志が言うこと聞かないんだよー!)


「これはこれでレアなんですからいいじゃないですか?ね?きゅーちゃん。」


 そーだよ、何事にも意思と言うものは存在するんだって八百万の神様も言ってたね!


(神話と一緒にすんなよ!致命的な問題だよ!)




「そろそろ私も仲間に入ってよろしくて?」


(はい)いえっさー!「すっすいません!」


「疑問があるんですよ、勇者が上級に行ったと噂があったのが二週間ほど前です、ですが転送陣があると思うんです、王城には。」


 ほうほう、ならば転移で行ったとお考えですね?二週間の何が疑問なんですかね?


「と、言っています」


「勇者が、ですよ?二週間前に着いて居たとして、まだ攻略の報告が有りません、大抵の正しい勇者でしたら、何日間かで攻略するものです、遅い理由は何だとお思いです?」


 全部のモンスターに魅了の練習とか?


「モンスターに魅了?効くんですか?」


「そんな馬鹿な事しますか?頭は雑用さんとは違います。」


 へへっさーせん!俺達も何が出るのか知らんから、そこはー何とも言えない。


「ですねー行ったこと無いからわかりません」


「神のお側に居るのではないのですか?」


 チッそこら辺まで感ずいて居たか!


「おおー凄いです!流石副店長!」


 事実にしちゃったじゃん!何してんの!


「はあうー!?何でも無いんですよ!」


 副店長にそれが効くと思うてか…


「はいはい、内緒ですね、で?本当に分からないんですか?」


 副店長が空を見上げる……恐喝されてますよ!アドリアナぱいせんー!


(べ、別に空を見たところで居ないし?恐喝を人間ごときにされるとは思ってないし?)


「でもーきゅーちゃんには恐喝紛いな事されてますよね?」


 人間が犬に負けたとは情けない。


(中身三十路の人間が言うなよ!!)


 ばか野郎!そんなもんとっくにこの可愛い体に吸収されて、浄化してますわ!


(してねーよ!何処がっ!?)


「あら、ワンコさんとはお話しても私は無視ですか、慈悲の欠片もありませんね。」


(あ、あるよ?慈悲ね、あるある!)


 慈悲って漢字で書ける?


(かんじなんて知らないから……内緒にしてよね?本当にみーちゃんの為に)


 お前の保守にみーちゃん使うな!


(ですよね!ごめんね!みーちゃん!)


「スー」すやぁー


 起きるでしょうが!!


(ごめんねー!もうっあんたが五月蝿いから!)


「何時も喧嘩してるんですー」


「神が犬と喧嘩?ハッ知れてますね。」


 デ、ディスってるぜ!知れてるのは間違い有りませんけど、副店長の言う通り!


(もうーだからこいつ嫌なんだよー!!)


 逃げんなよ決めたんだろ?人間相手には逃げないって!しっかりしろよ!


「きゅーちゃんが励ましてます!」


(お前は黙れー!)


「す、すいませんっ先輩ー!」


「神に近くて先輩が、とは不思議ですね?(爆)と関係有るんですかね?」


 何も言うなよ、言うなよ、フリじゃねぇ、そう思わせときゃ事実にはならん。


「…………」


「成る程きゅーちゃんに操られてますか。」


 何も言えないー言えないのーラララー


「ラ、ララ?」


 シャッラップ!黙れと行ったな。


「ひっ…」手を口に当てる、それでいい。


(何してんの本当に…ミネルバ…ま、まぁ、なんとなく事情はわかったわ。)


 マジで?何が?何の話してたっけ?


(勇者の攻略の話っ)


 あーそうだった、で?何がわかったの?


(あいつら、使いこなせてないみたい、魔法がね、日頃悪事だけしてるのかね?結構苦労してるみたい?)


 何だそれ……素人勇者かよー


「……と、言っています!」


「成る程、日頃の訓練を怠った結果ですか、自業自得ですね、でしたらワンコさん達の方が早くクリア出来るのでは?」


 ちょ、まてよーボスはドラゴンだろ?無理じゃね?いくら馬鹿なチートになったからって、アドリアナも言ってただろ?連携が足りないって、今から連携の練習して一月後にダンジョンて、もう遅くない?


(さっき言ってたじゃん、とっておきがあるの、王城に転移陣があるよ、各国にね。)


「えーそうなんですか?各国にあったら戦争が楽になりません?」


 ポンコツがまともな事言いました。


(条件があるに決まってるじゃん、誰でも送れたらそら国家統一も出来るっつーの。)


 条件ってなにー?


(まず大きな魔力が必要なのと、転移が出来る人数が十人と決まってる、一度使うと魔力が貯まるまで半年は必要。)


 ほむほむ、俺達が連携の練習次第って事かー……ぴーちゃんがな……


「そちらで勝手に進めないで貰えます?」


「すすすいません……あのかくかく…


 しかじかー!で御座いますぅ。


「成る程、ヒヨコさんは無視していいのでは?まだ使いなれて無いのでしょう?雑用さん含めてワンコさんとネコさんでやっては?」


 うむ、それもそうか、単なるサボり癖なんだけど、生け贄に副店長に捧げてみれ矯正されるかな?


「ピー!ピッー」おにぃのいぬでなし!ぴぃはこれでいいのー!


 猛ダッシュで文句言いに来ました、どうぞ、献上致しますぅー。


「ピ!?」うらぎりもの!?


 何も裏切ってないよ?ぴーちゃんが進んで来たからー。


 逃げようとするのでバッと咥える、逃がさん!常日頃の怠慢!直せやっ!


 バタバタ暴れるけど効きません!訓練をしてないからだよねー!


「ピーッ」わるかった!かんばる!


 サッと副店長なにぴーちゃんを捧げる。


「……何ですか?」


「ぴーちゃんが日頃から怠慢なのでー副店長に鍛えて欲しいときゅーちゃんが言ってます!」


「ピー!?」ねぇね!たすけてっ!


 生憎猫はコロコロの本能に縛られるのさ!


「訓練って、私は鑑定しか使えません。」


 いや、根性的な?


「根性的な?成る程!精神力!」


「ああ、そう言う意味ですか、いいですよ。」


「ピーッ」しんじゃうっおにぃっ



 ははは、流石に死なないよ、肉体は。


「ピッ!」がーん!

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