第17話 召喚よりトリミング
(きゅーちゃん!召喚するらしいですよっ!)
ビクッ!お昼寝中だったのでみーちゃんも起きてしまった。
…………ヨカッタネ。
(ご、ごめんなさいーみーちゃん起こして……でもぉ知らせて欲しいって……)
わーってるよ、つか何でいっぺんに呼ばないんだよ……最初がブサ変態で様子見してたのかー?あ、みーちゃんおねんねしててね?
「ウミュー」……ムニャ
(千代さんの時覚えてませんか?かなり魔力使うんで回復するまでできないんですよ、そういう意味では千代さんは一気に五人だから凄かったですー!)
さよかー千代さんかー……フニャッ。
(ああう……すぃませんー。)
で、今頃は召喚に成功してるんすか?
(まだ準備中みたいですー。)
さよか、終わったら起こしてー。
(……いいですけどね。)
お昼のブラッシングか終わった後、マドロンさんがシャンプーの事を聞いてきた。
「ほら、きゅーちゃんは意思疏通が出来るじゃない?ヨーンは出来ないから感想とか今まで考えても意味ないのかなーって諦めてたの、だけど!天才きゅーちゃん!が居るので感想が欲しいのです!」
おいおい、持ち上げすぎて引くわー。
「ンミ」にぃに、しっぽ……
んあっ!見ないでみーちゃん!!
とか、やりながら、匂いはどれが好き?とか、ヨーンの意見も参考にしてあーだ、こーだ、していたら。
(召喚始まりました!!)
あいよ、終わって一段落したら知らせて。
(……わ、わかりました。)
シャンプーの次はどういうブラッシングの素材がいいかの論議、俺は毛が長いから、もうちょっとシッカリタイプがいいんだ、夏場は良く抜けるので涼しくなりたいから、カットなんかも考えて欲しいのです。ヨーンはモフモフの割には体かデブ……丸いから、ソフトがいい、と、でもカールしてるからマメにほぐして欲しいんだって、トイプーみたいだな。
みーちゃんには極上、かつ、柔らかいんだけど、毛玉防止で毛はしっかり取れる、かといって皮膚が傷つかない繊細な、そして最上級の素材なんかがあればそれでお願いします。
「みーちゃんのはかなり厳選して欲しい訳ね……親バカって犬にもあるんだ……」
妹ですぅー!
「そうだね、そろそろ夏本番になるし、きゅーちゃんカットしてみる?」
いいんすかー!そろそろ暑くて!
「ンミっ!」にぃに、きられるの!?
ははは、そう言う意味じゃないのさ、毛を切ってさっぱりするだけだよ、何で肉斬られると思ったの……
ポメラニアンのカットと言えば、有名だ、わーぬいぐるみみたい!ってヤツだ、今年の俺は変わるぜ!!
(ある程度説明も受けてて……
今毛をカットするの!慎重にしないといけないから!余計な口出しすんな!ポンコツ!
(……うえーん……っ)
カット台に乗ってカットだが、マドロンさんポメラニアンカットしってるかな?
「うーん、どういう感じが一番可愛くなるかな?」「あんまり短いと変になりそう?」「ある程度短くしてから考えますか?」
店員さんがわらわら寄ってきてあーだこーだ言ってる、俺みたいなタイプは初らしい、少し不安だ……みーちゃんがソワソワして落ち着かないんだけど、マジお肉のカットじゃないから、にぃに死なないよ?今まで毛のカットなんてしてなかったから不安なんだろう。
大丈夫さ、俺は人間でさえ操ってみせる!
何となくの短さまでカットされたら、最早俺の独断場よ、間違ってる所を切ろうとしては吠える、ちゃうねん!そこはそうじゃないの!と人間を操って思い通りにカットさせていく。
「何だろう、操られてる感が凄いわ。」
みーちゃんがソワソワからキラキラになっていく、せやろ?可愛くなってるやろ?
「ンミッンミッ!」にぃにがへんしんなの!
そっちかー……
取り敢えず、ヒーローにはならないので、ガッカリさせないように頑張るんで!
何度もきゃんきゃん吠えてたら、マドロンさんが何処か遠目から見たときピーンと来たようだ、さすが専門店!
「何か分かったかも!なんかこう……!ぬいぐるみ、みたいな感じが成功?」
正解!尻尾盛大に振ります!
「あっ!遠目から見ると良くわかります!このまま続けましょうマドロン店長!」
「オーケーオーケー!やるぞ!こんなカット今まで見たこともない!滾るっ!!」
店員さんが一丸となった瞬間である。
そして一時間後、俺のカットが終わった!俺はクルクル回りながら、カットの詳細を確認、店員さんが俺の判決を待っている、うーん、うん?うんうーん、こ、これは!
バッと二本足で立ち上がり、成功じゃ!
お店に響く歓声!やったわー!!初のカットよ!家のオリジナルで売れるっ!!
カットの成功より金だった。
「ンミー!ンミー!」にぃにー!かわいいのー!かわいいのー!
せやろー!!二匹で嬉しさのわちゃわちゃー!俺もみーちゃんも可愛いんだぜ!!
(あ、あの……
だーってろ!!
(ヒーンッ……!)
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