第10話 お名前何ですか?
大将が入院することになった、原因は頬を何者かに殴られた様子、マドロンさんはきっと冒険者がやったんだわ!と息巻いていたが、夜でも営業中の時間、裏庭にはお触りタイムで人がいた、だが誰も冒険者は見ていない、ボフゥと言う大将の声を聞いた時には何処にも姿がなかっと、高速で犬パンチしたからな、見てない隙にあっと言う間よ、チョロイぜ。
「ンミンミ」にぃにすごいすごいー
照れるだろ?ペロペロ毛繕いでご機嫌。
「ねぇー?見てない?犯人?」
マドロンさんの犯人探しは詰んでいる、俺もみーちゃんも何も知りませんって顔をして、みてないよーのフルフル。
「むー!何!じぁあ勝手に飛んでったの?ありえないー!」 まぁ落ち着けや。
ペシペシ足を叩いて次に地面をペシペシ、座れよ、って意味、座ったのて通じた。
「な、なに?やっぱり犯人しっブッ!
モフモフダイブー!誤魔化すためにモフモフで忘れてもらおう作戦、おい、ヨーン共も一緒にマドロンさんをもふってしまおうぜ!わらわら集まったヨーンと一緒に全身埋め尽くす、落ち着いてもふっていけよ!
「フブッちょっ!ふわっ!アブっちょ!」
モフモフで窒息しそうだ、全員退避ー!もふもふがささっと離れていく、もはや大将をやっつけたボス的存在になっている俺、最初のみーちゃんよりも派手にしたからな、みーちゃんの上に俺の構図が出来上がっている、動物の頂点取るなんざチョロイもんよ。
「ハァハァ、な、何皆急に?幸せだけど死にそうだったわ……モフ死……?悪くない。」
最後の引き取りかたが決まった様だ、で?大将は忘れた?もう一回やっとく?
「はぁー何だっけ?えー……」
「マドロン店長ー?何してるんですか?開店ししていいんでしょうか?」
「んあっ!お店!行かないと!じゃあ遊んでゆっくりしててね?」
ふむ、まぁ一旦は忘れたようだ、次の作戦どうしようかなー?
「ミィミー?」きおく、けしちゃうー?
随分と乱暴な作戦を考えたようだ、教育間違ってないよね?大丈夫だよね?みーちゃんそれはやり過ぎだよ?俺達の事も忘れちゃうから、やるなら悪い人にしようね?能力上げも大変だよね、タチの悪い冒険者捕まえてくるよー!
「ンミー」いまはめだつのー
そうだった、まだ朝だ、夜に抜け出さなければ、今日はタチ悪いの居るかな?前に捕まえた奴は、俺とみーちゃんの忘却の能力使いすぎて自分が誰かも分からなくなったから、加減大変だよねー全く。
(人が居ない間になに物騒な事してんの!?)
あれ?ポンコツは?
(まだ勉強中よ!知識無さすぎ、どうやって管理してたのか本当に疑問!)
管理っていうかマニュアル操作しかしてなかったけど?後は放置で眺めてる感じー。
(なんじゃそら!神様の役目ほぼ果たしてない!そんな世界で生きたのも凄いね?)
だってほぼ何も起きなかったし?
(何、放置すると何もしなくなるの?)
んーだってする事ないじゃん?神様が居ない人間だけの世界の方が人間の醜さが見えて面白いんじゃねーの?
(あんたって……悟り開いて神様になれば?)
神様って悟り開くと誰でもなれんの?
(んな訳ないでしょ、神が溢れるわ!)
物の例えが悪すぎて伝わんなかった、申し訳ありませんー。
(謝りたいのか貶めたいのかどっちだよ…)
「ンミい?」かみさまひまー?
(教育!やっぱ教育!ポンコツが危ない!)
失敬な、俺の教育は万全よ!
((ぼすぅーあそぼうー?))
お、昼までお暇ですからね、みーちゃんも遊びまショー「ンミッ!」しよー!
閉店する頃には大将の事は何となく忘れたようだ、と言うか、詰んでるからな、理由がまったく分からないならやっぱ分からないままでいいと思うんですよ?
「うーん……そうだ皆は無理だけど、二匹でお見舞い行こうか?」
お?いいんですか?精神が逝ってしまっても知らんけど、行くか。
マドロンさんに抱っこされて病院に向かう、そういえば場所知らないから、覚えておかないと、みーちゃんの為に。
「そうだ、君達の名前付けないとね?少し様子見してたんだけど、ヨーンとも馴染んでるし、そろそろかなって。」
なんと、名前ですと?メグちゃんから貰った名前は変えたくないのだ!どうしよう?もう念話しちゃおうかなメンドクサイ……
(ちょおちょお!待って!教会に伝えるから待って!迂闊な事はしないでよー!)
何でだよ?能力ってか魔法使える動物一杯居るじゃん?話せる魔法持っててもオカシクないって、よく考えてみ?そんなオカシイか?
(え……いや、おかしいかどうかは、考えなかったけど理屈は分かる、あれ?何で駄目なんだっけ?ちょっと待て、混乱させて問題ありませんが何かみたいにするつもりでしょ!)
ポンコツのが、操りやすいわー。
(おっそろしい…私も気を付けないと、で!他の世界はどうか知らないけどここは駄目って決まってんの!だから駄目、分かった!?)
あー、はいはい世界のルールとか?法律とか?そんなんがあるんだろ、秩序は大事だもんなー?分かったって。
(何でそこまで考えてるのに迂闊な事するかねー!ポロっとしました、じゃだめよ!)
「ンミ」うるさいのーにぃにのじゃまなの
(ガーンっ!ごめんね……みーちゃん)
情緒不安定かっ!しっかりしろよー神様。
「……でさ色々店員とも考えたんだけどさ、中々可愛い名前って出てこないよねー、犬君にはマスタング!とかかっこいいのどうかなーとか……
……まっマスタングー!それでお「ミア」しっかりするのー……ですよねー?
俺の第一候補が此処で出るとは……運命のイタズラなりぃー……
取り敢えず、伝えるって言ってたしな、待つかー?え?
「きゅーちゃん、みーちゃんお久し振りです、今はペット専門店に居るとお聞きしました」
前方から唐突にシスター長!伝達はえー!
「え?し、シスター様?もうお名前付けていたんですか?」
「いいえ、私共ではありません、飼い主を探して居たとき、偶然お名前を知る事が出来まして、とても可愛いお名前ですから、変えるのも可哀想かと思いまして。」
「えーと、きゅーちゃんと?みーちゃんですか?確かに可愛いかもしれない……」
「やはり、どんな事情があろうとも、一度付けたお名前は体に染み込むものです、あまり変えるのはお勧め致しませんの。」
「あーああ!そうですよね、そうでした、勝手に決めつけてました、シスター様わざわざ申し訳ありません、お名前知ることが出来て良かったです!そのままの名前でいきますね」
「ええ、是非、それではご機嫌よう」
「あ、はいさようならー……」
うぬ、先手を取られたな!マスタングぅ!
「えーと、犬がきゅーちゃん?」きゃん!
「子猫がみーちゃん?」ンミー!
「ははっ、そっかやっぱり馴染みのある名前がいいよね?ごめんね気が付かなくて」
腕ポンポンで、ええんやでー
「ほんとー賢くていい子!はははっ」
大将のお見舞いにいったら俺を見てガクガクしてた、てめぇ、バレるだろうが、おん?静かにしてろや、ええのぅ?
大人しく白目向いてた。
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