大人の年齢について

 前の章では子供の年齢について書いた。神界では十七歳なると成人となる。車などの運転ができるようになり、結婚や大人の話を見聞きすることが許されるようになる。


 ここから十八歳までは、先ほどの六百八十七年でひとつ歳を取るという法則が適応される。しかし、十八歳以上は自身の好きな年齢で止めることができる。


 これはどういうことかというと、永遠の世界であるがゆえ、人々は永遠に生きている。著者の守護神の中でも、三百億年も生きている神がいるほどである。そうなると、みんな老いを迎えることとなってしまう。


 しかし、何もかもが永遠ということで、実年齢と違い、霊体――見た目が若いままの人が、神様には圧倒的に多く、何かで年齢を聞かれた時は、若い年齢のほうで答えるのが常識である。


 著者の守護神の話にまたなってしまうが、その神の年齢は二十三歳で、義理の父親は三十二歳ということが普通にある。五歳の子供が多いため、義理の兄弟と自身の子供が同じクラスなどということもよくある。


 見た目は若くても、実年齢はびっくりするほど生きているのが神界の常識である。年齢が二桁というのは、なかなか逆に聞かない。四桁以上が普通である。聞けば教えてくださる。その時は、固定概念に縛られずに、神様時間でよく聞こう。


 しかし、以下のことは注意しよう。著者も最初は知らなかったことだが、人間だから神だからということではなく、どうやら女性だからという理由があるようだ。


 やはり、神でも女性というものは、いつまでも若く美しくいたいものである。従って、女性の神様に年齢を聞くのは絶対にやめよう。教えてはくださるかもしれないが、非常に言いづらそうである。


 それはそうだと、著者は思う。女性が、二千何歳などと答えたくないだろう。


 それから、これも例外がある。見た目の年齢より、実年齢が若いという神がいるのである。


 これはしばらくすれば、自然と解消されることだが、人数は非常に少ないが、逆転している人がいる。その話をしよう。


 なぜ、生きていないはずの年齢になってしまったのかという話だが、以前神は生まれると、すぐに十八歳となり、大人として生きてゆくのが常だった。


 その後、子供の成長についての研究が進み、今現在の十ヶ月で五歳になり、六百八十七年でひとつ歳を取るという法則に変わった。これより前に生まれた神で、逆転している人がいる。


 著者の守護神の中にもいる。三人とも二十三歳だが、一人は九年、二人は十五年しか実際は生きていない。


 しかし、大人として損傷のない人生を送っていらっしゃる。これは、新しい法則に変わる前に措置が取られた。神であっても一人前の大人として心がきちんと形成されるためには、子供の頃の体験が必要不可欠だということとなった。


 そのため、ふたつの方法で、生まれてから十八歳までをやり直す大人が出た。


 ひとつは、私たちには少々理解が難しいものだが、その神の親が子供の十八歳までの記憶を一旦預かり、霊体を五歳までに戻して、人生をやり直す方法である。今現在もこれは続いており、お姉さんがいたが、今は妹になっているという神様がいる。


 ふたつ目は、通常の十五倍の早さで時が流れる大きな空間の中で、生まれた時から十八歳までをやり直すという措置が取られた。この人たちが、実年齢が見た目の年齢より若い神である。


 それから、年齢が変わる方法がもうひとつある。前の章でも書いたが、結婚という儀式である。配偶者の魂と交換するため、相手によっては年齢が上がったり下がったりということ起きる。


 そういうわけで、筆者の守護神三人は十八歳ではなく、ご結婚されて二十三歳になったということである。


 霊界から神界へと上がった時の年齢についても書こう。霊界は死んだ時の年齢で過ごすのが常である。転生しない限りは、何千年も何万年も同じである。


 しかし、やはり特別な修業などを積むと、若返ることがあるようだ。だが、著者は一人しか会ってことあったことがないため、ないに等しいだろう。


 神界へと上がると、ある適度な年齢へと一旦変わるそうだ。そうして、神の生活に慣れてくると自身の好きな年齢で止めることができるようになるらしい。


 適度な年齢だが、守護神に聞いたところによると、十八歳から三十代後半までである。四十代以上はいないと言う。


 前の章で少々もれてしまったが、子供たちの兄弟の関係性で、私たちの世界とまったく違うことがある。それは、六百八十七年という一年間の中で生まれた子供ならば、去年生まれても今年生まれても、十何年前に生まれても、兄と弟ではなく、ただの兄弟である。上下関係はならない。


 双子から六つ子までも神様の子供にはいるが、それらの関係はそのまま呼ばれるだけで、やはり一年の間に生まれた兄弟は、ただの兄弟である。

 

 それでは次は、神様の家族構成について話そう。

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