悪魔からコメント、公開します。

すべてはこのコメントから…

第1話 はじまりの１コメ

…またこの書き込みか

俺は掲示板をみて呆れた。こいつはいつも暴言吐いてる。１ユーザーとしては無視するべきだろうが、それでも納得ができない。

俺の名前はケンジで、ネット上のユーザーネームは「ワイバーン6」。俺は動画サイト、SNSと様々なところで書き込みを行っている。しかし、そのコメントは普通で、いいねをしてくれるユーザーは多くても10人程度。無名といってもいい本当の１ユーザーだ。だが、俺は誹謗中傷、暴言をすぐ吐くような奴は嫌いだ。そんな奴はネットから排除してやる。そんな思いが大きかった。

今日も俺は、自宅のパソコンでコメントの書き込みを行っていた。そんな中で、こんなコメントがあった。

"　はぁ？そんなこともわかってないのか。にわか乙ww　"

あるSNSの書き込みにあった返信だ。ユーザー名は、「ボスのベルゼブブ」。何度も暴言を吐いているユーザーだ。

「またこいつかよ…」

これを見て、腹が立たない人なんているはずがない。しかし、こいつに返信して暴言なんて吐いたら、こいつと同じようになってしまう。とりあえず俺は無視した。

その後、あるコメントが投稿された。それは、こいつの動画サイトの紹介欄へのリンクだった。リンクを押していってみると、いくつか動画が投稿されていた。しかし、その動画もまた悪口だったり、タイトル詐欺だったりと、とにかく酷いものばかりだった。

ゲームのプレイ動画だと、

"　こいつ雑魚だなww　"

この言葉が当たり前だった。案の定、コメント欄は荒れていた。こんなに荒れているというのに、何で運営はほったらかしているのか。意味すら分からなかった。

こいつの動画の説明欄にはこう書かれていた…

"そろそろ超重要動画公開する。フォローを行って通知をオンにしろ。動画投稿界を動かす重要重大な動画を前編と後編に分けて出す。

おい、日本に蔓延る馬鹿投稿者共よ、俺の動画見てるやろ。見てるやつは全員怖がらなくていいからコメントしてこい。その重大動画はお前たちも関係する。"

なにが重大動画だ。しかも動画投稿界ってなんだよ。フォローしている人が少ないくせになんでイキっているんだよ。すると、あるコメント欄に目が止まった。

"　かわいそうな人　"

「かわいいマスクメロン」というユーザーからだった。そのコメントの返信には、奴が返信していた。

"　なにいってんだお前。俺はバリバリの陽キャだぞ？頭おかしいんじゃないか？かわいそうな人ww　"

流石にこれは我慢できなかった。

そして…

"　おい、やめろよ。さすがにこっちもかわいそうだろ。　"

俺は一つのコメントを返信した。喧嘩の仲裁にはいるようなふつうのコメントだった。しかし、そのコメントが俺の人生を狂わせる原因になるとは、今の俺は知らなかった…

この出来事の日時はこう記しておく

‘　一日目　PM23:00　’　と…

そして物語は、二日目に続く…