きっと来世で

斉藤なっぱ

寒い冬君のことを思い出した。

苦い果実を噛んだときのような表情をした君には彼氏がいて

友達もたくさんいた。

移動にはタクシーを多用していたため僕は君はとても裕福なのだと思っていたが

多額の借金を背負っていたことはあとから先生から聞いた。


僕にはできないことはそんなに多くないけど、君にはできないことがいっぱいあった、エンデは不完全だからこそ人間は愛されるといった。きっと君はそういった不完全な人間で、不完全なことを恐れないからこそたくさんの支持者がいて、できないからこそ愛されるという人の根本的な部分を体現したような彼女のことを僕は羨ましいとさえ思った。一方僕と言う存在はなんなのだろうか。口に出してもしょうもない特技はたくさんあって特技がたくさんあるからこそ僕には友人もいないし恋人もいない。資格をいくら持っていたとしても、何の意味もない。そうして僕が悲しむようすを君は何気なく見つめいてた。何の悲しみも知らないように。

そして君が死を選んだ、僕が生きているのにどうして君が死ぬのかいまだに理解できない、だれか教えてほしい君が死んだ理由を、そしてどうして僕が生きていくのかを。

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きっと来世で 斉藤なっぱ @nappa3

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