禱れや謡え花守よ・異聞録 -緋色の瞳は何を視る-

天の旅団(アマノ)

はじめに

主要人物録

・神宮 桜花(12)

この物語の主な視点となる人物。

神宮家現当主。

神宮家は代々花守の家系ではあったが、霊境崩壊の際に霊魔との戦いで父が死去。

他の家族も同時期に亡くし天涯孤独に神宮家最後の花守となる。

技も力も継承する前に父を亡くした為、何もかもが未熟で弱く、唯一受け継いだ霊刀『焔櫻』の霊体ですら顕現させることも出来ず、只々霊力を込めて刀を振るう事しかできない。

現在は大きな平屋敷に一人で暮らしている。


性格は非常に穏やかで誰にでも優しく、刀をあまり扱いたがらない娘であった。

家族思いでもあった彼女が、父を亡くし親類も亡くしてからは暗く塞ぎ込む様になり、人に優しくされれば突き放し精神的にも不安定になってしまった。

親しい人が傷ついて、これ以上悲しい思いをしたくないが故に、彼女は"ひとりぼっち"になると決めた…。



・神宮 桜寿(37)故人

神宮家前当主、桜花の父親

「人命守護に於いて右に出る者無し」と言わしめ、神宮家歴代当主で唯一二刀を扱い歴代最強とされた実力者だが、神宮家の技が受け技・返し技しかなく、自ら仕掛けるのは滅法弱かった。煽り耐性も皆無だったため、煽られれば仕掛けて負けるのは通例だった。

そんな彼は霊境崩壊の際、とある霊魔との戦いで還らぬ人に。



・小鳥遊 乾(25)

神宮家前当主、神宮 桜寿の部下で唯一の生き残り。

右目と右腕を失っており、左膝にも傷を受け杖なしでは歩けぬほど憔悴しきっている。それでも彼は亡くなった仲間の為に、残された家族が死へと向かわぬ様尽くしていくことを生き残った者の使命としている。



・酒匂 渡(24)

各地で妖魔退治を生業にしていた女性退魔士。

剣術の師匠に幼少の頃拾われ、男と勘違いされて育てられた為、男勝りな性格をしている。酒豪さん。



・未殺(みそぎ)

放浪中の未契約刀霊。

刃もない柄もない、未完成で無骨な刀を本体とし、自らの霊体も能面の顔無しに胴体から脚はなく不完全な姿をしている。

街中をさ迷いながら、自分に相応しい花守を探している。

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