ふゆは白い。そして赤い
我羅 啓介
01 視界は白い。ただ白い。
「よっこらしょっと....」
ようやく階段を登りきった。2年生になると1つ上の階になるのでキツイなぁ。
僕は斎藤佑介。
帝国学園という学校に通っている。
帝国学園とは冬しか季節が無い厳しい世界を生き抜く為に必要な事を教える学校である。
課題がとても多く、一時期落第者が続出したことから在学中の恋愛を禁止している事で有名であるが、同時に優秀な生徒を輩出する学校としても有名である。
僕は必要な事を学びに来たのだがら、恋愛など関係ないし気にしなくていいかと、この規則をこの1年間は気にもしなかった。
しかし、クラス替えの初日の朝誰よりも早く来た、と思って入った教室に.....
貴女は居た。
そこに居たのは黒髪のポニーテール、スッと整った目鼻、長い睫毛に、メイクした事がパッと見でわからない程度のナチュラルメイクを施して、純白という言葉そのものが似合う肌を持った可憐な女の子。
思わず見惚れてしまって5秒ほど時間が止まってしまった。
しかし、その時間は直ぐに動き出す。
「あっ...おはようございます。」
「オハヨウゴザイマス。初めましてですね。僕は斎藤佑介です。」
なんで僕は同級生にカタコトになっているんだ。
「私は雪村冬花といいます。斎藤くん宜しくお願いします。」
僕はもう少し話をしたかったのだが他の子が来たので「これからよろしくね。」と会釈をして一旦自分の席に向かった。
ホームルームが始まり休み明け恒例の先生による勉学の大切さの話が始まる。
先生の話は15分のホームルームを全て使い切り、休み明けの少し抜けた雰囲気を一気に真面目な雰囲気に変えたのであった。
佑介もその1人であったがすぐに思い出した。
僕は雪村冬花さんに一目惚れした、という事に。
そしてもう1つの事実をはっきりと認識してしまった。
帝国学園に存在する規則だが、心に存在しなかった規則
在学中の恋という感情を禁止している明らかにおかしい規則が存在している、という事に。
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