プレゼント人数分
いや、なんで私はコイツと普通に二度目のクリスマス迎えようとしてんだ。帰らねぇのかよ、江戸に。
「ぬー」
もう殆ど鳴き声みたいになってきたな、それ。
で、結局プレゼントは決まったの?
「まだ決まっておらん」
ふーん、欲深いお前にもそういうことあるのね。
「早く決めぬと、三太殿が受付を終了してしまわれる……!」
そうだな。早く決めてくれ。
「……しかし、そう言う大家殿は決めたのか?」
私?
あー……そうねぇ。去年は確か酒瓶だったな。
今年……今年は……。
……クラフトビールとか……?
「結局酒ではないかー!」
うるっせぇなぁ、悪いかよ。
もうね、こちとら枯れてんのよ。だいぶ悟りの境地に近づいてきて、無欲も無欲なのよ。酒ぐらいしか楽しめるもん無いの。あ、あとゲーム。あ、あと本。あ、あと……。
「無欲とは」
そういうわけだ。はよ決めろ、プレゼント。
そんで決めたら紙に書いてこの袋に入れといてくれ。
「んぬぅ……」
そして、二日経った今日。
袋に何か入っている気配がしたので、開けて覗いてみることにする。すると何故か、紙は複数枚入っていた。
どんぐりと、にぼしと、銀之丞と、タコ助。そんで、武士の分の希望プレゼントが。
アイツが悩みまくってた理由、これかよ!
故に私は今、頭を抱えて武士を説得する言葉を探しているのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます