ハンバーガー
今日はもう色々面倒くさいので、夕飯はマクドナルドだ。
武士にはハッピーセットがお似合いだが、この量ではとても足りないので追加で買ってきてやる必要がある。
と、いうわけで、ビッグマックである。
「いい匂いがする」
玄関の戸を開けるなり、匂いを嗅ぎつけた武士が飛んできた。犬ならブンブン尻尾を振っていることだろう。
……。
……無いよな? 武士に尻尾って無いよな?
「それはなんだ?」
はんばーがーだよ。
マクドナルドの袋に釘付けになる武士にそれを預け、私は手を洗いに行く。
ポテトぐらいは齧られてるかなーと思いながら戻ってきたら、武士はコップに茶を入れて袋をテーブルに置き、律儀に正座して待っていた。
ちゃんと待ってたのか、偉いな。
そう言いかけて、私はコイツが犬じゃなかったことをまた思い出した。
「おお! これはまさしく “ はんばぁがぁ ” とやらではないか!」
案の定大喜びである。どうやら、CMで見てずっと気になっていたらしい。
大口を開けて、かぶりつく。
すると反対側からバーガーが飛び出た。
「ほぉひゃほほーーーーっ!!」
うるせぇなコイツは。
初めは普通のバーガーにしてやるべきだったか。巨大なハンバーガーに悪戦苦闘し、どんどん口の周りと服を汚していく武士を見てそんなことを思う。
しかし今となっては色々遅いので、私は私でチーズバーガーを黙々と食べ進めるのであった。
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